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2014 年度 実績報告書

MRI適合Au-Pt-8Nb合金の微細組織制御による特性改善

研究課題

研究課題/領域番号 24500528
研究機関徳島大学

研究代表者

浜田 賢一  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00301317)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードアーチファクト / 磁化率 / MRI / Au合金 / 強度 / 加工性
研究実績の概要

今年度は,合金細線作製時の条件を変更し,製造後の細線の加工性が改善するかを評価したが,微細組織制御にも限界があり,加工性向上には至らなかった。また,金合金の組織微細化に有効であることが知られているIrおよびRhの微量添加の効果を評価したが,特にIrでは磁化率の変化が大きく,アーチファクトフリーを維持することが困難であった。Rh添加による磁化率の変動は,合金組成の調整でカバーできると推定されたが,強度の低下が予想されることから,こちらも有効ではないと判断した。最終的には,試作脳動脈瘤クリップのブリッジ線の直径を小さくすることで加工を可能とし,試作クリップを完成させることができた。しかし,ブリッジ線を細くした結果として,クリップのブレードの開口量を制限する能力が低下する恐れが生じ,ブリッジ線の2重化などの対応策が必要と考えられた。
研究期間全体を通じ,MRI中で磁化率アーチファクトを生じないAu-8Nb-5Pt合金を開発し,この合金が軟化熱処理と硬化熱処理を用いることで加工性と強度を両立できることを見出した。この合金は線材への加工が可能で,MRI中でのアーチファクトを大きく低減できる脳動脈瘤クリップの試作に成功した。この合金は,脳動脈瘤塞栓用コイルの作製も可能と推定され,様々なアーチファクトフリーデバイスを作製可能と判断されることから,当初の目標は概ね達成できたと考えている。
残念なことに,試作クリップのコイル部には明瞭なアーチファクトが生じていたが,このアーチファクトはクリップデザインに由来することを新たに見出した。すなわち,クリップのバネであるコイル部がMRI中で変動磁場に晒される結果,誘導電流が生じ,磁場を生成するためにアーチファクトを生じると判断された。従って,アーチファクトフリーのデバイスを作製するには,非磁性合金の使用に加え,デバイスデザインの最適化も必要である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] MRI artifact reduction of aneurysm clip made of non-magnetic Au-7Nb-5Pt alloy for biomedical applications2014

    • 著者名/発表者名
      Kenichi HAMADA, Emi UYAMA, Shihoko INUI and Eiichi HONDA
    • 学会等名
      Materials Today Asia 2014
    • 発表場所
      Hong Kong, China
    • 年月日
      2014-12-09 – 2014-12-12
  • [学会発表] MRIアーチファクトフリー生体医療用合金の開発 -Au-xPt-8Nb 合金の微細組織と機械的特性-2014

    • 著者名/発表者名
      乾志帆子,宇山恵美,浜田賢一,誉田栄一
    • 学会等名
      第52回日本人工臓器学会大会
    • 発表場所
      京王プラザホテル札幌(北海道札幌市)
    • 年月日
      2014-10-17 – 2014-10-19
  • [学会発表] Dynamic Hardness Evaluation of Two Phases of Au-xPt-8Nb Alloys for MRI-artifact-free Biomedical Devices2014

    • 著者名/発表者名
      Shihoko Inui, Emi Uyama, Eiichi Honda and Kenichi Hamada
    • 学会等名
      26th European Conference on Biomaterials (ESB2014)
    • 発表場所
      Liverpool, UK
    • 年月日
      2014-08-31 – 2014-09-03
  • [学会発表] Au-xPt-8Nb合金の各相の硬さが合金全体の硬さに及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      宇山恵美,乾志帆子,浜田賢一
    • 学会等名
      第63回日本歯科理工学会学術講演会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2014-04-12 – 2014-04-13
  • [図書] バイオマテリアル研究の最前線2014

    • 著者名/発表者名
      浜田賢一
    • 総ページ数
      250(123-124)
    • 出版者
      日本金属学会
  • [備考] 旬の研究紹介

    • URL

      http://www.tokushima-u.ac.jp/_files/00222488/kenkyubudayori_vol1.pdf

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公開日: 2016-06-01  

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