研究課題/領域番号 |
24500535
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中山 敏男 東北大学, 医工学研究科, 助教 (80451631)
|
研究分担者 |
太田 信 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (20400418)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 流体工学 |
研究概要 |
平成24年度は,数値流体力学解析において流体構造連成解析を導入するために,先行研究をもとに,その方法について予備検討を行った. 予備検討では,生体における流体構造連成解析分野における先駆者である北京工業大学のQiao教授のもとに,8月中旬からの約1ヶ月間,先進技術調査と技術獲得のために滞在し,流体構造連成解析について学んだ.帰国後,学んだことを基にして,本研究で必要となる流体構造連成機能・性能について吟味し,本研究で必要なる機能・性能を満たし,今後の発展に対応出来ることを焦点にコードの選択を行った.メーカーからトライアルでコードを借り受けて機能・性能について検証を行い,同時にメーカー側にもベンチマークテストを依頼し,本研究を遂行するに必要とする機能・性能を満たすか否かについて聞き取りを行った.これにより,2つのコードまで絞り込めた. ステント開発に関しては従来の流体力学解析のみを使った方法で検討を続けている.理想形状動脈瘤をサイズで分類,そしてステント最適化を実行し,2012年10月,アメリカで開催された,医学工学の研究者が同時に集まる“IntraCranial Stent Meeting(ICS Meeting) 2012”にて結果報告を行った.この発表はICS主催者から“Award for ICS Presentation”として表彰を受けた.動脈瘤の分類に関しては瘤のサイズによる分類だけでなく,血管形状を考慮した分類方法の検討を始めた.動脈瘤内の流れは親血管形状に起因し,親血管形状をなくして検討を行えない親血管形状を考慮したことで,これまで以上に人の体の中に近い環境で,ステントストラットパターンの検討が可能となる.これに関しては,2013年1月,茨城県つくば市開催された日本機械学会主催バイオエンジニアリング講演会で報告を行い,生体力学の専門家とディスカッションを行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度,研究は計画以上に進展していた.しかしながら,研究を進める過程で親血管形状が瘤内流れに非常に強く影響を及ぼすことが判明したので,親血管形状を考慮した脳動脈瘤の分類が必要になった.当初予定していた予備検討に目処が付き,当初の計画になかった脳動脈瘤の分類を行っているためである.
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度,研究を進める過程で親血管形状が瘤内流れに非常に強く影響を及ぼすことが分かった.今年度,まず親血管形状を考慮した動脈瘤の分類を行う.これにより脳動脈瘤付近の血流パターンがこれまでの研究で用いたものより人体に近い血液の流れになる.そもそも,我々の研究対象は脳動脈瘤用ステントであり,動脈瘤の患者さんたちに世界最高のステント提供するためにも,動脈瘤の分類に親血管形状を強く考慮する必要がある. 上記の分類作業を推進すると同時に,昨年度予備検討を行っていた流体構造解析方法と申請者らがこれまでに開発した脳動脈瘤用ステントストラットパターンの最適設計法の融合方法の探る.さまざまな脳動脈瘤形状に対して流体構造連成解析を行い,これに対して,脳動脈瘤用ステントストラットパターンの最適設計法を実行し,融合可能性について検討を行う.
|
次年度の研究費の使用計画 |
当初,初年度に流体構造連成解析用ソフトウェアを計上していたが,メーカーに依頼したベンチマークテストに当初計画より時間を必要とした.そのため,慎重な見極めが必要となったので,購入時期を平成25年度とすることにした.平成25年度請求額と合わせて使用する予定である.
|