研究課題/領域番号 |
24500535
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中山 敏男 東北大学, 医工学研究科, 助教 (80451631)
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研究分担者 |
太田 信 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (20400418)
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キーワード | 数値流体力学解析 / 最適化 / ステント / 脳動脈瘤 / 生体内流れ |
研究概要 |
平成25年度は,数値流体力学解析において流体構造連成解析ソフトの決定と親血管形状を考慮した動脈瘤の分類について検討を行った. 流体構造連成解析ソフトに関しては,平成24年度に各ベンダーに対してベンチマークテストを依頼し,同時にベンダーからトライアルコードを借り受けで機能・性能について検討を引き続き行い,本研究を遂行するに必要とする機能・性能を満たすか否かについて慎重に検討を続け,平成25年度にその結果が出たので慎重な選定作業の結果,一本に絞り込むことができた. ステント開発に関しては親血管形状が瘤内流れに非常に強く影響を及ぼすことが平成24年度の研究で分かったので,まず親血管形状を考慮した動脈瘤の分類について検討を行った.医療用画像診断装置から出力される画像をもとに,親血管の3次元形状を作成,血管の中心線を抽出して,親血管の曲がりを測定した.脳動脈瘤は構築した親血管形状に対して,いろいろな位置に設置し,従来の流体力学解析を用いて血液流れの解析を行った.この結果より,脳動脈瘤ネックの血液流れは大別して2通りであることがわかった.2013年11月アルゼンチンのブエノスアイレスで開催された医学工学の研究者が同時に集まる“IntraCranial Stent Meeting(ICS Meeting) 2013”,同じく11月にアメリカサンディエゴ開催されたアメリカ機械学会(ASME)で,今回の結果を報告し,臨床医師および生体力学の専門家とディスカッションを行った. これまでの研究業績が認められ,2014年1月に開催された日本機械学会が主催するバイオエンジニアリング講演会のメインの実行委員に選ばれ,講演会の運営に大きく貢献した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に問題となった親血管形状と脳動脈瘤内の流れが平成25年度に明確化された.しかしながら,この問題が大きく,全体の研究の進展に影響を及ぼした.
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今後の研究の推進方策 |
平成24・25年度において,親血管形状が脳動脈瘤内の血液流れに非常に強く影響を及ぼすことが分かり,親血管形状と脳動脈瘤内の血液流れについて検討を行ってきた.今年度は親血管形状と脳動脈瘤内の血液流れについての詳細な分類法を構築する. 昨年度導入した流体-構造連成解析システムを用いて,脳動脈瘤内にステントを留置した場合のシミュレーションを行い,そのシミュレーション結果の検討を行う.その後,申請者がこれまでに開発した脳動脈瘤用ストラットパターンの最適設計法を用いて,最適なステント設計法を構築する.
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費として計上していたが,テレカンファやメールの利用により,当初案より費用を抑えることができた. 今年度は最終年度であるため,研究総括ためにディスカッションが増えることが考えられる.そこで,最終年度の旅費として使用する.
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