本年度は、オンライン測定システムの設計と状態判断用ファジィネットワークの基本設計を行い、状態判断・警告サブシステムと推定・判断検証・調整サブシステムの開発、およびその統合に関する具体的な課題点の洗い出しを行った。その結果、特にオンライン測定ではベッドサイドで血中電解質濃度を測定する分析装置の小型化という技術的課題、生体水分分布モデルの精度向上と状態判断ファジィネットワークの構築では人員不足という実際的な課題が明確になったので、これらの課題を含めた成果を2014年10月に台湾の台南市で開催されたThe 1st Global Conference on Biomedical Engineering(GCBME 2014)で発表した。また、この報告書の期限までには間に合わなかったが、生体水分分布モデルの構築に関して現在原著論文を執筆中であり、来年度に発表する予定である。 本研究課題は、全体と通じて所属機関が2回にわたって変更となるなど研究環境が変化し、その都度研究計画を変更せざるを得なかった。それゆえ、現在までオンライン測定システムの設計、生体水分分布モデルの基本的構築、状態判断ファジィネットワークの基本設計まで達成し、各サブシステムの精度向上と具現化、およびこれらのサブシステムの統合が今後の課題として残っている。ただし、今回の科学研究費補助金の支給によって本研究の遂行基盤がかなり整備できたので今後の研究継続は可能である。
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