研究課題/領域番号 |
24500540
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
野川 雅道 金沢大学, 機械工学系, 助教 (40292445)
|
研究分担者 |
打出 喜義 金沢大学, 大学病院, 講師 (00168709)
小川 充洋 帝京大学, 理工学部, 講師 (30322085)
田中 志信 金沢大学, 機械工学系, 教授 (40242218)
山越 憲一 金沢大学, 機械工学系, 教授 (40014310)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 胎児血中酸素飽和度 / 光拡散理論 |
研究概要 |
「近赤外光による非侵襲的子宮内胎児機能診断システム」の臨床評価にあたり,母体腹部表面から子宮内胎児に由来する微弱な光電容積信号検出システムの改良,および,その臨床評価(n=2)を行った.結果として,胎児由来の光電容積脈波成分の分離・検出が可能であることが確認された.しかしながら,胎児血中酸素飽和度の導出において,一般的に知られている健常な胎児血中酸素飽和度値(60~70%)より,10~20%程度高値を示した.このことから,引き続き,臨床評価を行いながら,胎児血中酸素飽和度の導出に使用している光拡散理論に基づく有限要素解析による多層モデル(単純な母体腹部・胎児頭部モデル)において,高値を示す原因の究明,もしくは,その妥当性の検討を進める必要があることが確認された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究において新たに改良した微弱光検出システムを用いて,従来まで検出が困難であった胎児由来の光電容積脈波成分の分離・検出が母体腹部表面から得られる光電容積信号より計測可能となったことは,本システム開発において大きな前進となった.しかしながら,胎児血中酸素飽和度の計測(推定)に関しては,光拡散理論に基づく有限要素解析による多層モデル(単純な母体・胎児モデル)を構築し,理論的な校正を試みたが,実際の評価の過程で得られた若干名(n=2)の健常な妊婦の腹部表面から得られた光電容積信号では,一般的に知られている健常な胎児血中酸素飽和度値(60~70%)より,10~20%程度高値を示した.今後は,引き続き,臨床評価を行いながら,より正確な母体・胎児モデル,さらには,より正確な光散乱理論であるモンテカルロ法などを用いて,理論的校正モデルが高値を示す原因の究明,もしくは,その妥当性の検討を進める必要がある.
|
今後の研究の推進方策 |
前年度までに得られた結果に基づき,①臨床評価を実施し易くするための微弱光検出システムの可搬性・インターフェースなどの改良,②理論的校正モデルの高精度化を行いながら,近赤外光による非侵襲的子宮内胎児機能診断システムとしての有用性の確認を行う.
|
次年度の研究費の使用計画 |
前年度までに得られた結果に基づき,主に妊婦を対象とした臨床評価のための微弱光検出システムの改良費として使用する.また,各研究分担者との研究発表や,外部関係者との打ち合わせ旅費として,国内旅費(研究代表・分担者当たり年2回)を使用する.
|