• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

血液検査結果によるがん早期診断支援システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24500545
研究機関大阪大学

研究代表者

松村 泰志  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90252642)

研究分担者 三原 直樹  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20379192)
萩田 紀博  株式会社国際電気通信基礎技術研究所, その他部局等, 研究員 (40395158)
武田 理宏  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70506493)
篠沢 一彦  株式会社国際電気通信基礎技術研究所, その他部局等, 研究員 (80395160)
キーワードがん / 膵癌 / 肝癌 / 早期診断 / 検体検査 / データマイニング / 判別分析 / CART
研究概要

がんの早期発見を目標とし、一般の検体検査結果値とその変化について、がん患者の特長をデータマイニングにより抽出することを目的とする。
大阪大学医学部附属病院のがん登録患者で、2007年1月から2011年12月の間に診断され、
診断日から過去3年間に検査結果がある胃癌206人、肝癌182人、膵癌203人の患者を分析対象とした。また、がん登録に登録がなく、病名にがんがない患者を非癌患者とし、検査結果値がある21,106人を対照とした。末梢血液、尿、腫瘍マーカーなどの73項目について、診断日前の1ヵ月の①最大値、②最小値、③3年間の最小値と1ヵ月の最大値との差(増)、④3年間の最大値と1ヶ月の最小値の差(減)のデータを収集し、疾患群の半数以上に値がある検査項目を選択した。特徴をもつ項目を選択するために、判別分析のステップワイズ法とCARTを用いて解析し、K=10のK-分割交差検証法により精度を評価した。
肝癌では、判別分析でAFP増、ALP増が選定され、感度は0.34、特異度は0.99、CARTではAFP増が選択され、感度は0.61、特異度は0.89であった。膵癌では、判別分析でrGTP増、Plt減、TP減が選択され、感度は0.19、特異度は0.99、CARTではAMY増、PT増、Plt減が選択され、感度は0.69、特異度は0.99であった。胃癌では、判別分析でrGTP増、CRP増が選択されたが、感度は0.06と低く、特異度は0.99、CARTでは有意な項目が選択されなかった。以上より、肝癌、膵癌については、一般検査の値の変化を捉えることで癌の早期発見の可能性が示唆された。
さらなる推定精度の向上には、癌患者と非癌患者で患者数の不均衡性が大きく、同部位の癌でも判断検査項目の共通性が少ないことへの克服があげられる。そこで、検査項目間の関係(異常回数と平均値の関係)を推定する方法を考案した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度・25年度に、がん患者と非がん患者の対象の検体検査結果データを抽出し、肝癌、膵癌、胃癌について、検体検査結果の特徴抽出を行った。肝癌、膵癌について、当初の期待通り、一般検査の変化の程度から特徴抽出ができた。
計画では、全がんについての解析を行う予定であったが、各がんの特徴抽出のための方法の確立に予定以上の時間を要し、3種の癌についての解析に留まった。時系列データの変化パターンを解析し、がん患者における特徴抽出をより精緻化する予定であったが、この解析が予定より遅れた。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、平成25年度までに確立できた方法で、他のがんにも適用し、一般検査結果の変化から、がんの早期診断が可能であるがんの範囲を調べる。これまでの解析で、診断前の一時点での検査値の組み合せパターンでの特徴抽出は難しく、時系列変化に着目すると特徴抽出ができることが分かった。そこで、時系列変化をより精緻に評価し、がん患者における特徴がより精度よく抽出できないかを検討する。また、項目間関係推定手法を利用して不均衡性の是正や欠落データを補完する方法を検討し、精度の向上を目指す。
平成25年度までの成果で、膵癌患者の特長抽出ができた点は意義がある。膵癌は無症状で進行するため、気付かれた時には進行しているケースが多い。しかし、データマイニングで発見した特徴は、医師が記憶することは難しく、また、本結果は値の変化を見るために、より日常臨床での適用が難しい。そこで、コンピュータで自動判定させて、医師に警告するシステムの構築を目指す。本研究では、検体検査結果データベースより、対象患者について予め設定した項目の過去3年間値データを取得して判定するシステムのプロトタイプシステムを作成する。
また、大阪大学医学部附属病院のデータウェアハウスの2013年以後のデータを用いて、本システムを稼働させた場合に、がんが診断できたケース数、偽陽性であったケース数を調べ、本法の有効性を評価する。

次年度の研究費の使用計画

当初計画では、平成25年度に、判定対象の患者について、本研究で抽出したがん判定のための特徴の有無を判定して知らせるプロトタイプシステムを開発する予定であった。しかし、がん判定の特徴抽出のための方法の確立に予定より時間を要した。また、時系列データの変化パターンの解析方法の精緻化を試みるべきとの判断となった。本システムには、がん判定のための特徴を知識として記述する必要があるが、この知識構造が変わる可能性があることから、プロトタイプシステムの開発を平成26年度の開発に遅らせることとした。
平成26年度は、がん判定のための特徴抽出を進め、プロトタイプシステムの開発を実施する。開発したシステムを大阪大学医学部附属病院の電子カルテシステムに組み込み、実患者の検査データを取得して判定させ、システムの有用性を評価する。ただし、本システムは、一般ユーザにはアクセスできないようにし、通常の臨床での利用は避ける。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 一般的な検体検査結果を用いたがんスクリーニングの可能性の検討2014

    • 著者名/発表者名
      島井良重、武田理宏、真鍋史朗、村田泰三、三原直樹、松村泰志
    • 雑誌名

      医療情報学

      巻: 33 ページ: 808-811

  • [学会発表] 一般的な検体検査結果を用いたがんスクリーニングの可能性の検討2013

    • 著者名/発表者名
      島井良重
    • 学会等名
      第33回 医療情報学連合大会
    • 発表場所
      神戸ファッションマート
    • 年月日
      20131121-20131123

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi