研究課題/領域番号 |
24500545
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松村 泰志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90252642)
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研究分担者 |
三原 直樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20379192)
萩田 紀博 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, その他部局等, 研究員 (40395158)
武田 理宏 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70506493)
篠沢 一彦 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, その他部局等, 研究員 (80395160)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 癌 / 検体検査 / データマイニング / CART / 最近傍法 / 診断 / 膵癌 / 前立腺癌 |
研究実績の概要 |
一般の血液検査の値と変化度から癌の早期発見ができるかを検討した。大阪大学病院で2007年1月から2011年12月に診断された肺癌314人、胃癌206人、膵癌202人、前立腺癌195人、結腸癌160人、乳癌155人、肝癌153人を対象とした。一般的検査で実施頻度の多い項目の値を抽出し、同期間に同項目が実施された非癌患者21,106人の値を抽出した。各項目の診断日前の1ヵ月の最大値①、最小値②、3年間の最小値と①の差(増加度)、3年間の最大値と②の差(減少度)を収集し、CARTにより分析した。肺癌はAPTT増加度、Ca値、CRP増加度により判別でき、感度0.23、尤度比7.3であった。膵癌はアミラーゼ増加度で判別でき、感度0.43、尤度比53.8であった。結腸癌は、ヘマトクリット減少度で判別でき、感度0.201%、尤度比12.8であった。肝癌はAFP増加度で判別でき感度0.44、尤度比12.7であった。胃癌、前立腺癌、乳癌では、有効な判別指標は得られなかった。PSAによる前立腺癌の判定を更に分析した結果、10ng/ml以上の時、感度0.60、尤度比9.44、3~10ng/mlの時で6ヶ月に0.36以上増加した時、感度0.68、尤度比1.85であった。k=9の最近傍法で全癌について各項目で識別し、leave-one-outで評価した。CEAで感度0.85%、尤度比4.9であった。アミラーゼを検査した患者の4%が膵癌であったが、上記判定が陽性の時70%が膵癌であることとなる。一般的な検査値とその変動から一部の癌を疑うことができ、早期診断に寄与できる可能性がある。 データマイニングでは欠損値の存在が精度を落とす原因となる。これを補間する方法を考案した。また、電子カルテ上で上記の判定をして医師に示すために、検体検査結果を取得し判定ロジックを組み込めるプログラムを開発した。
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