研究課題
【本研究の目的】フォトニックDNAナノマシーンを利用した超低侵襲ドラッグサージェリーシステムの提案を行った.本研究では,低侵襲な診断・治療が可能な内視鏡から特定波長の光を照射することにより,リポソームを利用し患部に選択的に取り付いたフォトニックDNAナノマシーンが自己組織化して構造変化することで患部を除去する基本要素技術の確立を目指した.【フォトニックDNAナノマシーンの設計および具現化】DNAピンセットをベースにしたフォトニックDNAナノマシーンを試作し,特性の評価を目指した.光信号により開閉動作するDNAピンセットに,分子センサ機構と光出力機構を付加したプロトタイプの制作を目指しアゾベンゼンを導入したDNAを使用して,DNAヘアピン構造のopen状態とclosed状態を光制御することにより,分子センサ機能の起動と停止を光信号に応じてスイッチ可能とする.紫外光を照射するとヘアピン構造が開裂して分子認識部位が露出し,対象分子と結合する.そこへ可視光を照射すると,ヘアピンDNAの自己結合力が増加し,元のヘアピン構造にリセットされる.この過程で対象分子はヘアピンDNAから乖離することになる.光信号のONとOFFのタイミングにより対象分子を検出したり,放出したりすることが可能であることを確認した.【フォトニックDNAナノマシーンのリポソームへの実装方法の確立】外部からの光制御により,内包するフォトニックDNAナノマシーンのコマンドが実行され,物質の放出や取り込み,表面修飾の変化,リポソーム自身の破壊が行われる機構の実装法を検討した.使用する分子の検討を行い,リポソームの設計を行った.また,本研究で使用するリポソームはモデル細胞膜である脂質二重膜を人工的に創り出すジャイアントリポソームの形成方法をベースに検討を行った.
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
看護理工学会誌
巻: vol. 1, no. 2 ページ: 25-31
IEEE Journal of Translational Engineering in Health and Medicine
巻: vol.2, no.1 ページ: 1-8
10.1109/JTEHM.2014.2298852
ICIC Express Letters PartB: Applications
巻: vol.5, no.1 ページ: 279-284
Biomedical Optics Express 5
巻: 9;5(7) ページ: 2082-2090
10.1364/BOE.5.002082. eCollection 2014