研究課題
本研究は、心筋ストレインを用いた新たな拡張能指標Global strain imaging diastolic index (SI-DI)の、左室拡張能評価における有用性を確立することを目的とする。我々は、昨年度まで、高血圧患者においてGlobal SI-DIが拡張心不全重症度評価に有用であること(J Echocardiogr)、実際にGlobal SI-DIが左室充満圧の指標として有用であること(AHA2012 Hot topicセッション)などを報告してきた。特に、心筋長軸方向のL-global SI-DIは、従来の心エコー指標よりも鋭敏に血行動態の急激な変化を評価できることを明らかにした(Circ J 2014; 78: 419-427)。また、同時にSI-DIが狭心症発作による心筋障害を反映し、負荷を用いずに冠動脈狭窄を検出できることを発表した(Int Heart J 2013; 54; 266-272)。今年度新たに、多施設共同研究において心筋ストレインが心室再同期治療の効果予測に有用であることを明らかにした(Circ J 2015; 79(3):613-22)。また心筋ストレインを右心機能にも応用し、肺高血圧モデルの右心機能評価にも有用であることを報告した(Int Heart J, in press)。また本研究を通して得られた知見を広く還元するために、多くの研究会で発表したほか、和文誌にも多くの論文掲載を行った(「拡張能をいかにとらえるか」診断と治療 2015; 103 suppl: 77-83、「収縮能が保たれた心不全HFpEF」診断と治療 2015; 103 suppl: 47-53、「心筋症の心臓超音波検査所見」医学のあゆみ 2015; 252: 1047-1054、など)。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
Journal of Echocardiography
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http://plaza.umin.ac.jp/~utok-card/clinical/echocardiography/study