研究課題/領域番号 |
24500558
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
武田 朴 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (40583993)
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研究分担者 |
加藤 洋 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (20010473)
南 順子 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (30587655)
日向 奈惠 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (80587668)
志水 美文 (下村 美文) 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (30396759)
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キーワード | がん診断 / パワスペクトル / DNAヒストグラム / 樹形図 |
研究概要 |
症例数を100例程度追加した。FFTを用いた解析で得られたパワースペクトルの最大傾斜(slope)を用いた診断法にスクリーニングと振幅を1にGo/G1ピークを200に規格化したDNAヒストグラム(規格化ヒストグラム)を作成し、細胞周期別にその細胞数比率を病理診断結果を対比した診断法(領域法)を組み合わせた診断法を検討し、pseudo aneuploidy が検出される領域をS期から除外した領域の細胞数比率によるがん診断法を組み合わせることにより、感度特異度が95%を越えた。樹形図を用いて85例に対し病理診断結果は46例のがん中44例をがんと判定し2例はがんの疑いありと判定し、正常39例に対して33例を正常とし6例をがんの疑いありとした。本法を用いると病理医の判定すべき病理標本を1/10に減らせる可能性を示した。更に、pseudo aneuploidy を示さない正常な組織の規格化ヒストグラム平均をして基準ヒストグラムを得る。測定した規格化ヒストグラムと基準ヒストグラムの差から、領域法を上回る診断能力が得られる可能性があることを示し、SI2013(計測制御学会システムインテグレーション部会)において発表した。正常細胞のG0/G1領域における細胞数比率と病理標本の顕微鏡観察結果から得た細胞数比率を量的に比較する目的で、ビメンチン染色画像(非上皮細胞の細胞核)とHE染色画像(すべての細胞の細胞核)の着色部分の面積比較を行った。がん組織における非上皮細胞数とS期の細胞数比率からがんの診断が可能であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
85例の標本に対して44例をがん,39例を正常と判定し、病理診断と対比して一致した。8例を癌の疑いとし、内2例が癌であり、6例は正常であった。先行研究がDNAヒストグラムによるがんの検出率を30%から60%であるとしていたのに対し、優れた成績を残すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
差分法の改良を継続して行う。 病理診断画像との対比についてHE染色(すべての細胞核が染まる。)ビメンチン染色、(非上皮細胞の核が染まる)、AE1/3(上皮細胞が染まる)などと画像認識手段を組み合わせ、細胞単離自動染色機、凍結乾燥試薬の性能確認などを行い、本診断法の確立に向けた研究を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
26年度の計画を進める目的で立てた計画通りに直接経費を使用した結果である。論文投稿が比較的早いタイミングで行えたので、論文掲載費を前倒しして準備したが、査読が長引き次年度に費用が発生することとなった。 論文掲載費用30万円、国内学会出張旅費20万円、海外出張旅費25万円、標本製作者に対する謝金25万円、などを予定している。
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