脳卒中に対する治療法として用いられているミラーセラピー(MT)に電気刺激(ES)を組み合わせた方法が、健常若年者、高齢者の脳血流にどのような影響を及ぼすかを検討した。若年者では、MT+ESにおいて被刺激筋に一致する脳半球の縁上回が安静時と比較して有意に賦活した。一方、高齢者では、MT+ESにおいて被刺激筋に一致する脳半球の中心前回、中心後回、縁上回、上側頭回、角回、中前頭回が安静時と比較して有意に増加した。これらのことは、鏡からの視覚入力とそれに同期した電気刺激が運動観察と運動錯覚の効果によって脳皮質の賦活を促すとともに、固有感覚が低下している高齢者では、よりその効果を促したことを示唆する。
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