研究課題/領域番号 |
24500577
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研究機関 | 星城大学 |
研究代表者 |
太田 進 星城大学, リハビリテーション学部, 准教授 (50452199)
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研究分担者 |
長谷 和徳 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (10357775)
渡辺 淳也 帝京大学, 医学部, 准教授 (40375712)
福山 篤司 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40452198)
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キーワード | 変形性膝関節症 / 3次元歩行解析 / T2 mapping / 膝関節内反モーメント / 膝関節アライメント / 姿勢 |
研究概要 |
中年期以降に発症し女性の罹患率が高い変形性膝関節症(膝OA)の発症メカニズムの解明の一助とその予防ツールの開発の2点を本研究の目的とする. 目的1:女性は中年期以降O脚変形を来す膝OA(内側型)を発症しやすい.そのため,女性の青年期から中年期において膝関節にかかる力学的変化があると考え,それに影響する要因を青年期と中年期を比較することにより解明する.(研究1:地域高齢者と膝OA症例において,青年期にX脚,O脚のどちらのアライメントであったかをアンケートを用い比較検証.研究2:20歳代,40歳代の膝関節軟骨・下肢アライメント・姿勢・歩行特性の年代別比較解析.) 目的2:我々の先行研究より姿勢改善運動で即時的に歩行時膝関節にかかるO脚方向への力(内反モーメント)が減少したため,そのメカニズムを明らかにし,姿勢改善を青年期から中年期の膝OA予防の一つと位置付け,自らの姿勢をフィードバックさせるツールの開発 を行う.(研究3:どの姿勢部位の改善が膝関節内反モーメントに影響するか.研究4:姿勢のセルフフィードバックツールの開発.) 平成25年度の実績を記す.研究1:地域高齢者150名,膝OA症例50名のアンケートを回収した.平成26年度は膝OA症例のアンケートを増やす必要がある.研究2:20歳代と40歳代の3次元歩行解析とMR計測による軟骨評価を行った.40歳代では,歩行時に床から膝屈曲方向に働く力が大きく(大腿四頭筋の活動が高い),その傾向が筋力が弱いほど大きかった.また,軟骨評価では大腿骨内側表層において症状のない40歳代でも20歳代より質的変化があった.ただ,両計測値は関連しなかった.研究3は,予備研究は終了し平成26年度夏季に実施する予定である.研究4に関しては,プロトタイプの作成をおおよそ終えており,今後応用できるレベルのプロトタイプまでの完成を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1:地域高齢者150名,膝OA症例50名のアンケートを回収した.地域高齢者は予定人数に達しているが膝OA症例が不足しており平成26年度アンケートを増やす. 研究2:20歳代と40歳代の計測を終了し,解析も終え,国際専門雑誌に投稿した. 研究3:腹囲の変化(腹部をへこませる:腹圧を上昇させる)ことで,姿勢の変化を評価し,その時の歩行時膝関節にかかる力学的変化を検証するものである.予備研究は終了し,現時点では腹圧の上昇は姿勢を変化させる可能性がある.平成26年度夏季(8から10月)に計測と解析を行う予定である.研究4に関しては,姿勢(腹囲)を感知するフィードバック装置のプロトタイプの作成をおおよそ終えている.
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今後の研究の推進方策 |
研究1に関しては,膝OA症例のアンケート数が少なく,平成26年度早急に増やす予定である.研究2は当初の予定は終了しているが,重要な結果が得られたため同様の方法論で,さらに進め,初回計測から1年後(平成26年度8-10月)の40歳代のMR変化を追う予定である.MR計測に1名2万円弱必要なため,平成26年度の予算の大半をMR使用料として使用する.研究3は,学内にて研究代表者と学部学生,大学院生が平成26年度夏季に集中して計測を行う.研究4は,平成26年度度夏季には,応用できるレベルの姿勢フィードバック装置のプロトタイプまでの完成を予定している.研究3の実施に合わせ,本装置の使用を行い,修正を加えていく.
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次年度の研究費の使用計画 |
計測用の消耗品など購入時期が研究の進捗に伴い,次年度に移行したため. 計測用の消耗品として,平成26年度の研究で使用する.
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