前期から進行期の変形性股関節症(股関節症)を50名対象としてコホート研究を実施し、股関節症の進行に関わる要因を調査した。股関節症の進行の有無を従属変数、ベースラインでの骨形態、股関節痛、股関節機能障害、歩行時の股関節負荷を独立変数として、多変量解析を行った結果、過剰な股関節累積負荷(一歩行周期における股関節モーメント積分値と患側の一日平均歩数との積)と股関節症進行との関係性が明らかとなった。本研究により、世界で初めてリハビリテーションで改善可能な要因の中から股関節症進行の危険因子を特定できた。今後は、股関節累積負荷に着目した介入研究を実施し股関節進行予防の効果検証を行う必要がる。
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