• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

皮質コラム構造に基づいた視覚再建のための局所持続型電気刺激法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 24500580
研究機関京都産業大学

研究代表者

田中 宏喜  京都産業大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (40335386)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード人工視覚 / 微小電気刺激 / 多点電極 / 神経回路
研究実績の概要

本研究は、皮質刺激型人工視覚を実現するための最適な電気刺激パラメーターの探索や多点刺激電極を利用した新しい刺激手法の開発を動物実験により行うことを目的としたものであり、最終年度は以下の研究を行った。
第1に、前年度に引き続き、持続性があり空間局在化した神経活動を引き起こすのに最適な電流刺激パラメーターの検討を継続した。これまで以上に詳細な解析を行うことで、周波数が高いほど、持続的かつ空間局在化した神経活動が得られるという結果を、より強固なものとした。
第2に、多点電極による効率的刺激法を見出すために、皮質刺入型タイプであるミシガン電極を利用した実験を数回実施したが、電極が脳組織を損傷し神経組織を十分興奮させることができなかった。そこで刺入タイプではなく、表面に布置するタイプの平面電極に切り替えて実験を行った。このタイプの電極を用いる場合、従来mAオーダーの強い電流が必要と考えられてきた。しかし、今回、より高密度で小面積の刺激点をもつ新型の平面電極を用いることで、百μAオーダーの低電流で十分強い神経応答を誘発できることをVSDイメージング法で見出した。刺激に対する神経応答の強度や時間経過をより直接的に評価するために、神経活動をマルチユニット神経活動記録法で捉える研究を、最終年度の後半に行った。このデータの詳細な解析は現在行っている。
第3に、人工視覚の生理学的基盤である視覚皮質の神経回路を詳しく調べる研究を行った。神経活動記録には新しいタイプの多点電極を用いて視覚皮質の広い範囲から一定密度で細胞活動を記録し、これに相互相関解析法を施して神経活動の同期状態を解析した。その結果、様々な時間スケール、空間スケールでの神経活動同期を皮質の層ごとに記述することに成功し、人工視覚の基盤にある神経回路の理解をより深めることができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Spatial range and laminar structures of neuronal correlations in the cat primary visual cortex2014

    • 著者名/発表者名
      Tanaka H, Tamura H and Ohzawa I
    • 雑誌名

      Journal of neurophysiology

      巻: 112 ページ: 705-718

    • DOI

      10.1152/jn.00652.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ネコV1野における時間スケールの異なる神経活動相関の層構造2015

    • 著者名/発表者名
      田中宏喜, 田村弘, 大澤五住
    • 学会等名
      第38回日本神経科学学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2015-07-29

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi