認知症の行動心理症状(BPSD)は介護負担を大きくし,認知症者ならびに介護者のQOLを低下させる.既存のBPSDの評価尺度は行動症状よりも心理症状の評価項目が多く,実際の介護場面では使用しづらい面がある.今回我々は高齢者介護施設職員を対象に,高齢者施設でみられるBPSDの調査を行なったところ,頻度・強度ともに心理症状よりも行動症状が上位となった.この結果を踏まえ,パーソンセンタードケアの考え方に基づいたBPSDの評価尺度を開発した.今回作成した評価尺度は,リハビリテーションモデル,介護モデルの構築に貢献することが期待できると思われる.
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