研究課題/領域番号 |
24500591
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
田中 悟郎 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00253691)
|
研究分担者 |
中根 秀之 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90274795)
太田 保之 西九州大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50108304)
稲富 宏之 兵庫医療大学, 医療福祉学部, 准教授 (10295107)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 統合失調症 / セルフスティグマ |
研究概要 |
本研究では、集団認知行動療法が統合失調症患者のセルフスティグマに及ぼす影響について検討を行う。セルフスティグマを低減できる有効なプログラムを確立することで精神障害者の回復に寄与することが期待できる。プログラムの目的は、認知(自動思考)の修正と、それに伴う気分・感情の改善、そしてより適切な対処行動の獲得である。プログラムの中心は認知再構成法(コラム法)、問題解決技法、行動活性化である。プログラムの概要は、プログラムの説明(個別の問題と目的の設定)、2)自分の気分に気づく、3)考えと気分の関係(考えによって気分の種類や程度が変化する)、4)考え方のクセをみつける(自分を追いつめる考え方のクセをみつける)、5)自分の考えを吟味する①(考えの根拠をみつける)、6)自分の考えを吟味する②(考えに反する根拠をみつける)、7)バランスの良い考え方をする(自分を追いつめない妥当な考えをうみだす)、8)日常生活で挑戦する(行動計画を立てる)、9)再発を予防する(再発予防に役立つ工夫)、10)プログラムの振り返り(プログラムのまとめと今後に向けての相談)、などである。 予備的調査の結果、概ね集団認知行動療法プログラムの内容を確立した。多様なメンバーから様々な意見が出されるため、メンバーのものの見方(認知)や振る舞い方(行動)はより豊かになってきている。また自分自身消し去りたい(認めたくない、受け入れがたい、背負いきれない)と思っていた問題でも、問題の見方や問題への対処法を仲間と一緒に「研究」してみると、その問題は興味や関心の対象へと変化していく。すると問題を客観的に眺めることができるようになり、問題が小さく見え始め、問題をコントロールしやすく(抱えやすく、持ちやすく)なることなどが本研究により示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
集団場面では多様なメンバーから様々な意見が出されるため、メンバーのものの見方(認知)や振る舞い方(行動)はより豊かになってきている。安心して自分の問題(弱さ、苦労)を話せる場(雰囲気)を作ることの重要性が示唆された。
|
今後の研究の推進方策 |
安心して自分の問題(弱さ、苦労)を話せる場(雰囲気)を維持していき、深刻な「問題」であるはずの「もろさや弱さ」が、人とのつながりをもたらす「強み」になるような体験をメンバーが積めるように支援していく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|