研究課題/領域番号 |
24500595
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
圓 純一郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (30587879)
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研究分担者 |
鈴木 幸一 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター, 室長 (20206478)
後藤 正道 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (80325779)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 電気生理学 / 末梢神経障害 / 総合電流刺激装置 / 神経再生メカニズム |
研究概要 |
(1)ハンセン病の型及び障害の程度と神経伝達速度の関係についての解析 1)日本におけるハンセン病後遺症の患者さんの中で協力していただける人の感覚神経伝達速度及び運動神経伝達速度を筋電図・誘発電位検査装置を用いての測定については、8名の測定が終了し、現在詳細に解析を行なっている最中である。 2)ミャンマー連邦・ヤンゴン総合病院皮膚科特別外来においてハンセン病新規患者の神経伝達速度の測定を行うための準備として、ハンセン病の病型による神経伝達速度の基礎的なデータ収集を行うためにミャンマーへ行き、ミャンマー連邦のヤンゴン総合病院皮膚科特別外来のDr.Kyaw Kyaw及びDr.Lin Htetと共同研究打ち合わせを行い、また計測用機械のチェックを行って来た。さらに、研究を進めるための評価表・記録用紙の作成を行い、データ収集を行う環境は整備済みである。ミャンマー政府に対して共同研究申請のために必要な倫理審査申請書類の作成を共同で行い、現在審査結果を待っている最中である。 (2)ハンセン病の運動麻痺に対する総合電流刺激装置(EMS)を用いた治療法の検討 3)総合電流刺激装置(EMS)を用いた治療方法として、母指と小指の対立に使われる母指球筋に対してEMSにより筋力増強を行って治療経過のデータ収集を行うために、伊藤超短波製「低周波治療器・干渉電流型低周波治療器組合せ理学療法機器 ES360」を購入し、パイロット研究として健常者で効果を判定している最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ミャンマー連邦のヤンゴン総合病院皮膚科特別外来のDr.Kyaw Kyaw及びDr.Lin Htetと共同研究打ち合わせ及び機械のチェックを行い、政府への共同研究申請のための倫理審査申請書類の作成を共同で行って、審査結果を待っている最中である。倫理審査を通さないとデータ収集が行えないため、まだデータの収集には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
(1)ハンセン病の型及び障害の程度と神経伝達速度の関係についての解析 1)ハンセン病後遺症の患者さんの中で協力していただける人の感覚神経伝達速度及び運動神経伝達速度を筋電図・誘発電位検査装置を用いて測定する。症例数を増やすことで、神経伝達速度と神経障害パターンとの間に一定の法則を見出すことを目的として行う。これにより正確な予後予測の判定を行うことに近づける。 2)ミャンマー連邦・ヤンゴン総合病院皮膚科特別外来においてハンセン病新規患者の神経伝達速度の測定を行う。新規患者については、病型の分類におけるデータ数を増やすことで神経伝達速度と神経障害パターンを明らかにする。さらに、治療経過におけるデータを収集することでハンセン病においての神経再生が行われるのかを検討し、神経障害メカニズムの解明をはかっていく。 (2)ハンセン病の運動麻痺に対する総合電流刺激装置(EMS)を用いた治療法の検討 総合電流刺激装置(EMS)を用いた治療方法として、母指と小指の対立に使われる母指球筋に対してEMSにより筋力増強を行うことによる治療経過のデータ収集を複数名に行うことで、治療効果の判定を行う。また長期間の治療を行うことによる治療効果の判定及び廃用性の二次的障害からの筋萎縮及び運動障害の判定も行なっていく。さらには、神経の再生が行われているのかを神経生理学的手法を用いて判定していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)消耗品費として以下のものを計上している。 本研究では神経伝達速度の検査を行い、症例データを蓄積していくため、神経伝達速度検査用消耗品としてNCS電極や脳波用電極ペースト、生体信号モニタ用皮膚前処理剤が必要不可欠である。また、EMS治療器具で治療していくに際し、消耗品としてEMS治療器具用粘着パッドが必要である。その他、本研究に必要な消耗品について消耗品費として計上している。 (2)旅費及び謝金については以下のものを計上している。 本研究は学外の研究者との共同研究が含まれるため、打ち合わせ・情報交換のための旅費が不可欠である。また、研究代表者が本研究で国立感染症研究所ハンセン病研究センターへの1年度に2回ほどの出張が必要になる。これらの費用を国内旅費として計上している。また、本研究においてデータ収集を実際に行なっているミャンマー国ヤンゴン総合病院特別皮膚科外来訪問のための費用が必要となる。これらの費用を国外旅費及び謝金として計上している。 (3)その他として、本研究の成果を学術雑誌に投稿し、報告書を作成するための費用を計上している。
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