研究課題/領域番号 |
24500599
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐鹿 博信 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (50235298)
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研究分担者 |
菊地 尚久 横浜市立大学, 市民総合医療センター, 准教授 (90315789)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 外傷性脳損傷 / 高次脳機能障害 / 心理社会的要因 / 社会参加 / QOL / リハビリテーション / 質的記述法 / 半構造化面接 |
研究実績の概要 |
[目的]高度救命救急センター(ACEC)から退院した高次脳機能障害の外傷性脳損傷(TBI)について、慢性期での参加制約とQOL、および慢性期のリハニーズを明らかにし、慢性期のリハ介入の効果を検証する。 [対象選択]2006年11月以降の5年間にACECに搬入されたTBIで、急性期にリハ治療を行い、自宅退院または転院した患者は232名。取り込み基準は、①受傷時18歳以上、本研究登録時75歳未満で受傷後1年以上経過、②mRS; 0-3。除外基準は、①中度以上の失語症、②受傷前からの認知障害、精神障害、身体障害など。対象候補の86名に趣意書を郵送し、同意した31名を対象とした。 [方法]①高次脳機能障害の評価と半構造化面接などによる質的データの収集、②質的記述法による参加制約の評価とリハニーズ評価、③参加制約に対する心理社会的要因(SPRS)とQOL(SF-36)の評価、④リハニーズに応じたリハ介入、⑤追跡調査にてSPRSとSF-36の再評価、⑥SPRSとSF-36の変化にてアウトカム評価。 [結果]med. 33.4歳。男/女;17/14。受傷から面接までmed. 50.7ヶ月。高次脳機能障害が解消していた8名を除外。高次脳機能障害で社会参加認知障害(B)群11名(就労8、復学1、主婦2)、参加困難(C)群12名(通所支援施設3、無職8、長期入院1名)。C群はB群よりも、TBI重症度や高次脳機能障害でより障害の重い者が多かった(p<0.05)。B群とC群のSPRS とSF-36の役割/社会的側面とは、それぞれ、64.9と50.0、44.3と30.4であった(p<0.05)。リハ介入によりSPRSとSF-36は変化せず、C群では生活破綻4名を生じた。 [まとめ]受傷から約4年を経過した慢性期TBIは、リハ介入のニーズを有していたが、心理社会的問題やQOLを向上させることは困難であった。
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