本研究は脳外傷患者に対して急性期・回復期に評価した脳外傷リハデータベースを発展させて、回復期以降の障害状況、生活状況を基に、在宅復帰後の障害状況、生活状況の変化および就労状況、地域活動を調査し、リハ医療の質を向上させることを目的として行った。身体機能に関しては回復期以降有意な改善を認めず、記憶障害などの高次脳機能障害が残存している症例が多かった。地域でのリハサービスを受けている頻度は高く、地域での文化的活動、スポーツ活動を行っている比率は予測よりも高値を示したが、未就労は約45%、福祉的就労は約35%、一般就労は約20%に留まり、今後地域活動の支援、就労支援を進めていくことが必要と思われた。
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