本研究は、神経障害性疼痛(NPP)が下肢骨格筋に及ぼす影響およびNPPに対する走運動の効果について検討した。坐骨神経部分損傷を施したNPPモデルマウスの健側ヒラメ筋の筋線維横断面積(CSA)は増大し、術側ヒラメ筋CSAは縮小した。走運動はMPPモデルマウスの疼痛を緩和し、脊髄後角ではアセチル化ヒストンH3K9陽性ミクログリア数が増加した。このようにNPPはヒラメ筋に左右差を生み出すが、走運動は疼痛を緩和することにより不均等化したヒラメ筋の矯正に有効であると思われる。さらに脊髄後角ミクログリアでのヒストンH3K9のアセチル化のようなエピジェネティクス修飾がEIHに関与することが示唆された。
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