研究課題/領域番号 |
24500606
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
小野 武也 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (30299797)
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キーワード | 関節拘縮 / 予防 / 動物実験 |
研究概要 |
1日につき8時間の関節固定(残り16時間は固定を除去した自由飼育)は1週間後に関節可動域制限を発生することがわかっている。一日につき8時間の関節固定を共通条件として,連続的固定と間歇的固定の違いが関節可動域制限発生に与える影響を検討した。(対象)Wistar系雌ラット34匹とした。(方法)実験初日に全てのラットの右足関節背屈角度を測定した。ラットは右足関節底屈位固定時間の違いにより,24時間固定するGroup 1,1日につき連続的に8時間固定するGroup 2,1日につき間歇的に8時間固定するGroup 3に分けられた。固定時間以外における右足関節の動きは自由とした。1週間後,固定を除去した時の右足関節の背屈角度を測定した。(結果)初日と7日目の背屈角度に有意な差が認められたのはGroup 1と Group 2であった。(結語)間歇的な8時間の関節固定は1週間後に関節可動域制限を発生しなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回の研究で最も明らかにしたかったのは,1日8時間の関節不動を連続で実施した場合と,間欠的に実施した場合に,関節可動域への影響に違いがあるかどうかであった。我々は結果から,8時間の連続した関節不動が主として皮膚に何らかの変化をもたらし,その変化が16時間の自由飼育による関節運動の間に正常まで回復しない分の積み重ねで関節可動域制限が発生したのではないかと考えた。このことは,おおむね研究が順調に進んでいることを示していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画において,平成26年度はヒト関節を対象とした関節運動と関節拘縮を検討する予定であった。現在,我々は,関節可動域制限を予防するために必要な関節運動時間について,関節固定モデルラットを使用している。しかし,研究経過の中で臥床状態に類似した関節固定法と後肢懸垂を組み合わせたモデルの方が関節固定法だけを行ったモデルよりも関節拘縮の発生は著しいと推測されるようになった。そこで,ヒトを対象とする前に,後肢懸垂が関節拘縮発生に与える影響を検討する必要が発生した。
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