脳卒中患者片麻痺上肢の機能改善に対する、電子楽器を用いた音楽演奏によるリハビリテーションの効果を検討した。電子ギターと電子ドラムを患者宅に貸出し、外来で演奏指導を行い、自宅で毎日30分程度、麻痺側上肢で演奏訓練をした。他患者との合奏や、グループでバンド演奏コンサートの機会も設けた。その結果、上肢運動機能評価点数は、平均で約15%程度の改善を示し、心理的にも有意差をもって精神健康度の改善が見られた。 本法は、麻痺の改善だけでなく、楽曲をマスターする達成感やグループ活動を通した音楽の楽しみによる心理的効果も加わり、自宅で高い動機づけを維持して行うことのできる画期的な訓練方法である。
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