研究課題/領域番号 |
24500615
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
上野 敦子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (30277199)
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研究分担者 |
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00159047)
上塚 芳郎 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40147418)
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キーワード | 植込み型補助人工心臓 / リハビリテーション / ADL拡大 / 運動太陽能 |
研究概要 |
本研究は植込み型補助人工心臓装着患者のQOLや予後に対し、より効果的なリハビリテーション(リハビリ)プログラムを作成すること目的としている。そのために平成25年度は、植込み型補助人工心臓装着患者の離床から退院するまでを、自覚症状やバイタルサインなどを参考に、基本的なリハビリプログラムにのっとってリハビリをおこなった。各患者の入院期間、補助人工心臓装着直前の血液データ、退院前の運動耐容能、運動負荷量などの関係を評価し、さらに有酸素運動の負荷量の検討を行った。結果については、第19回日本心臓リハビリテーション学会学術集会で報告した。 歩行が安定してからの日常生活動作(ADL)、退院後の社会復帰についてはある程度評価したものの、血行動態が安定したばかり、かつ長期臥床のために廃用が進行している状態である離床の際のADL拡大指標に明らかなものがなく評価困難であった。この時期に安全にリハビリ介入を行うためには、血行動態を評価する必要があると考えた。ADLを拡大する際に指標となる評価は、すでに多くの苦痛を伴っている患者に対し感染のリスクやさらなる苦痛を伴うものではあってはならないと判断し、非観血的で苦痛を伴わない評価方法を検討した。非侵襲的心拍出量測定装置および末梢組織での酸素供給をみるための非侵襲的組織酸素飽和度測定装置を用い、離床時に心拍出量や組織酸素飽和度測定をおこなうこととし、必要な機器を購入した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
離床からリハビリテーション介入を開始し、基本動作訓練、歩行訓練、筋力訓練を行い有酸素運動までおこなっていくプログラムが行えている。退院前には心配運動負荷試験を行い、適正な運動指導を行っている。そして退院後のイベントについて追跡を開始した。 症例によって種々の合併症を伴い、一様には評価困難であることが明らかとなった。計画時より、プログラムの修正を適宜行うことになっており、特に離床時のADL拡大のための評価方法について検討が必要となった。安全かつ有効にリハビリ介入を行うことが目的であるため、最適な評価方法を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
離床を安全に行うために、非侵襲的に心拍出量測定および組織酸素飽和測定を行うこととした。H25年度に機器購入を行い、その機器を使用しての評価を含めたリハビリテーション実施について倫理委員会に申請中である。その上で、リハビリプログラムの中で、離床基準を明確にし、安全な早期離床をめざしたプログラム作成とプログラムにのっとったリハビリ実施をおこなっていく。 それとともに、これまでの症例のイベント追跡を解析していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
離床時の評価に用いる非侵襲的心拍出量測定装置の購入を行い、その使用を含めたリハビリテーション実施について倫理委員会に申請中であるため、実際の患者での測定で必要になる電極の購入を行えなかった。また、非侵襲的組織酸素飽和度測定についても同様で、次年度での電極およびパッチ購入が必要となった。 非侵襲的心拍出量測定装置と組織酸素飽和度測定装置用の電極およびパッチ購入のために使用する。
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