研究課題/領域番号 |
24500615
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
上野 敦子 東京女子医科大学, 医学部, 准講師 (30277199)
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研究分担者 |
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00159047)
上塚 芳郎 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40147418)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 植込み型補助人工心臓 / 組織酸素飽和度 / 有酸素運動 / リハビリプログラム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、植込み型補助人工装着患者のQOLや予後に対して効果的なリハビリプログラムを作成することである。特に下肢に着目し身体的デコンディショニング(脱調節)の評価を行うことで、運動療法の内容を個々に調整することであった。植込み型補助人工心臓(LVAD)の装着患者が一時減少したことで、1年研究期間を延長したが、最終年度の平成27年度は平成26年度に引き続き、LVAD植込み患者の下肢の組織酸素飽和度を非侵襲的に測定することで、身体的デコンディショニングおよび下肢疲労との関連の評価を行った。近赤外線分光法を利用した無侵襲的組織酸素飽和度測定装置を使用し、一側の腓腹筋の酸素飽和度をADL拡大時、自転車エルゴメータ運動施行時で測定し、最終的に心肺運動負荷試験の結果から得られた嫌気性代謝閾値(AT)から求めた適正な運動強度と比較し、有効な運動強度の指標とした。ATレベル以下の定常な運動強度であると下腿の組織酸素飽和度も定常状態を示し、ATを超えた強度であると下腿の組織酸素飽和度は終盤低下していることが示唆された。しかし、LVAD装着患者の有酸素運動、通常推奨されているATレベルでの運動強度よりやや強い負荷の運動でも安全に実施されていた。この結果から、非侵襲的に測定された組織酸素飽和度は、定常強度の有酸素運動の強度を設定することに役立つとともに、通常推奨されているATレベルでの強度での運動でなく、ATレベル以上の運動強度でも安全に行えることを示した。今後、心肺運動負荷試験実施前でも組織酸素飽和度を測定することで評価し、リハビリプログラムを作成できる可能性を示唆できた。
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