研究課題/領域番号 |
24500616
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
猪飼 哲夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80151249)
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研究分担者 |
藤江 正克 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20339716)
ゼッカ マッシミリアーノ 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (30434377)
高西 淳夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50179462)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生体計測 |
研究概要 |
超小型の超小型生体計測システム (姿勢センサWB-4R)を複数台使用して歩行を計測し解析を行い、本システムの有用性を検討した。 被験者は20、30歳代の健常男性10名である。センサは、大きさ20x17x5.6mm、重量8.2gであり、3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサ、3軸地磁気センサからなる。被験者の第3腰椎後面、両側大腿部外側・下腿部外側・足背の7か所にサポーター・テープで固定した。傾斜角度が0度のトレッドミル上で、時速3km、4km、5kmの歩行速度にて各施行1分間の歩行を計測した。施行回数は各3回ずつで、サンプリング数は200Hzとした。また、6mの自由速度による平地歩行(施行5回)も計測した。一部の被験者では、光学式(赤外線カメラ)との比較や屋外での歩行も計測した。また、高齢者3名に対しても平地歩行、時速2kmでのトレッドミル上歩行を計測した。計測データはCentral boardを介してPCへ送信し、拡張カルマンフィルタを通して座標変換の後、各種分析を行った。 トレッドミル上での歩行において、歩行周期や関節角度変化を捉えることができた。光学式と比べて歩行周期や角度変化に大きな差異はなかった。また、ストライド毎の絶対座標系での、足部のピッチ軸回りの角速度と角度との関係が得られた。平地歩行や屋外歩行、高齢者においても同様に歩行解析が可能であった。 超小型生体計測システム(姿勢センサ)を利用して、歩行解析は可能である。測定場所を限定せず、測定準備も容易で、有用な計測評価法になりえる。本システムで得られる歩行の評価指標も存在する。本システムによる計測法は、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)、脳卒中片麻痺患者の評価や、訓練効果の判定などに応用できると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超小型生体計測センサによる歩行解析システムの研究において、健常若年者を被験者とした研究で、本システムの有用性が確認された。今までに広く用いられている光学式に比べて大きな差異はなく、利便性が証明され新たな評価法を得ることができた。また若年者だけでなく、高齢者の歩行解析にも使用可能であることが証明された。 研究初年度の研究目標はほぼ達成されたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
超小型生体計測センサによる歩行解析システムの研究では、このシステムを各種疾患の患者などの評価に応用したい。また本システムに筋電システムを組み合わせたり、画像で患者や被験者などにフィードバックできるシステムを構築する予定である。 2足歩行ロボットの研究では、疑似障害歩行モデルや福祉用具評価手法の研究を推進したい。歩行支援ロボットの研究では、歩行介助の訓練機器を作製することを計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
センサや電極作製、機器改良費に研究費を使用する。またカメラや消耗品の購入に用いる予定である。研究成果の発表のため、学会参加費や旅費にも使用することを検討している。
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