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2012 年度 実施状況報告書

拘縮治療に向けた疼痛メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 24500620
研究種目

基盤研究(C)

研究機関中部大学

研究代表者

松田 輝  中部大学, 生命健康科学部, 講師 (40367868)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード拘縮 / 疼痛 / 行動実験 / 単一神経記録 / C線維
研究概要

ラットを麻酔下で、右足関節を最大底屈の状態で、前足部から膝関節上部までギプス包帯にて固定を行い、ラット拘縮モデルの作成を行いました。ギプス固定を行うギプス群と無処置群を作成し、ギプス固定前、固定1週後、2週後、4週後に、(1)足関節の関節可動域、(2)皮膚の機械痛覚閾値、(3)長指伸筋の筋機械逃避反応閾値、(4)ヒラメ筋の筋機械逃避反応閾値を測定しました。
(1)足関節の関節可動域は、無処置群では160 °と有意な差は無かったが、ギプス群は、固定前(160±0 °)と比較して、固定1週後(140±3.7 °)、2週後(117±1.7 °)、4週後(85±3.4 °)で有意に減少しました。
(2)ラット覚醒下でvon Frey hair(自家製:直径 0.5 mm)を用いて極限法にて測定した皮膚の機械痛覚閾値は、無処置群は有意な差は無かったが、ギプス群は、固定前と比較して、固定2週後、4週後で有意に減少しました。
(3)Randall-Selitto装置(市販の機械的鎮痛計)を用いて測定したラットの長指伸筋の筋機械逃避反応閾値は、無処置群は有意な差は無かったが、ギプス群は、固定前(117.8±28.4 mN)と比較して、固定4週後(803.1±41.4 mN)で有意に減少しました。
(4)Randall-Selitto装置(市販の機械的鎮痛計)を用いて測定したラットのヒラメ筋の筋機械逃避反応閾値は、ギプス群は、固定前(1216.8±20.1 mN)と比較して、固定1週後(1004.5±24.9 mN)、2週後(873.8±24.9 mN)、4週後(797.6±35.4 mN)で有意に減少しました。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ラット拘縮モデルの作成を行い、行動実験で皮膚機械痛覚閾値の測定、筋機械痛覚過敏の測定を終了しました。
現在、C線維の単一神経記録の実験を行っていますが、C線維の単一神経記録は難しく、計画した数の記録が出来ていない状態です。

今後の研究の推進方策

ラット拘縮モデルと無処置ラットを用いて、ラットのヒラメ筋と長指伸筋を用いて、拘縮による末梢神経の神経機構について調べる予定です。方法は、拘縮モデルラットと無処置ラットで、麻酔科でヒラメ筋-脛骨神経標本を取り出し、in vitroでdissection 法によりC線維の単一神経記録を行う。受容野の電気刺激により伝導速度を測定し、2.0 m/s以下のものをC線維として以下の実験を行います。I)機械刺激(10秒間で0~196 mNの鋸歯状刺激)を行い、反応閾値、放電数を調べる。II)ATP 1μM、10μM、100μM、1mMを30秒間投与し、放電を記録する。III)pH7.4、pH7.0、pH6.6、pH6.2溶液を30秒間投与し、放電を記録する。IV)その後、記録したC線維の特性を調べるために、ATP 10 mM、BK 10 μM、Capsaicin 1 μM、熱刺激(50℃)を行う。

次年度の研究費の使用計画

H24年度は、予定していた実験まで進めませんでした。このため、実験で使用する動物、試薬の購入が予定よりも少なくなり、研究費が残りました。H25年度では、H24年度で行えなかった実験を行う予定でいます。H24年度で残った研究費は、H25年度に行うことになった実験(H24年度で行えなかった実験)で使用する動物、試薬の購入に使用する予定です。

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公開日: 2014-07-24  

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