ラットの拘縮モデルを作成して、拘縮で発生する痛みや末梢神経の神経機構を解明することを目的とした。ラットを麻酔下で、足関節を最大低屈位で、前足部から膝関節上部までギプス固定を行い、ラット拘縮モデルを作成した。ギプス固定を行うギプス群と無処置のコントロール群を作成し、足関節の関節可動域、皮膚の機械痛覚閾値、長指伸筋の機械痛覚閾値、ヒラメ筋の機械痛覚閾値をギプス固定2日前、1日前、固定1、2、3、4週後に測定した。足関節の関節可動域は、コントロール群では変化がなかったが、ギプス群ではギプス固定1日前と比べて1、2、3、4週後で有意に減少した。皮膚の機械痛覚閾値は、コントロール群では変化がなかったが、ギプス群ではギプス固定1日前と比べて2、4週後で有意に減少した。長指伸筋の機械痛覚閾値は、コントロール群では変化がなかったが、ギプス群ではギプス固定1日前と比べて2、3、4週後で有意に減少した。ヒラメ筋の機械痛覚閾値は、コントロール群では変化がなかったが、ギプス群ではギプス固定1日前と比べて1、2、3、4週後で有意に減少した。 ラット拘縮モデルで、ギプス固定1週間後の長指伸筋、ヒラメ筋を取り出し、in vitroでC線維の単一神経記録を行い、機械閾値、熱閾値、化学刺激に対する反応をコントロール群と比較している。しかし、C線維の単一神経記録は、難しくまだ、記録した個数が少なく傾向が明らになっていない。
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