研究課題/領域番号 |
24500622
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
柴田 斉子 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (40319265)
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研究分担者 |
加賀谷 斉 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (40282181)
青柳 陽一郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (30286661)
稲本 陽子 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 講師 (70612547)
太田 喜久夫 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (00246034)
才藤 栄一 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50162186)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 摂食・嚥下障害 / 320-ADCT / 嚥下手技 / 咽頭内圧 |
研究概要 |
1)320-raw area detected CT (320-ADCT)を用いた咽頭腔容積の計測 健常者5名,摂食・嚥下障害者5名において4mlのとろみ付き液体を嚥下した際の咽頭容積の変化を計測した.健常者では嚥下反射惹起に伴う舌骨の上前方移動後速やかに咽頭容積は0mlに近づくが,摂食・嚥下障害者では咽頭腔が残存したままで食塊の咽頭残留を多量に認めた.咽頭腔最大容積と最小容積の差を最大容積に対する割合として算出した咽頭縮小率(pharyngeal volume constriction ratio: PVCR)は健常者と摂食・嚥下障害者でそれぞれ96.0±2.9%,78.2±13.1%であった.この結果より.仮説として咽頭縮小率は咽頭収縮力の指標となると考えられた. 2)320-ADCTを用いた嚥下手技実施中の咽頭・喉頭の動きの観察 健常者1名においてメンデルソン法実施時の咽頭・喉頭の動きを観察した.喉頭挙上している間,喉頭閉鎖が保たれるとともに咽頭腔も縮小し完全に空気層が消失していた.この結果からメンデルソン法の訓練効果は,従来から述べられている喉頭挙上の強化に加えて,咽頭収縮力の強化を担う可能性があると考えられた. 今後,320-ADCTとマノメトリーの併用により咽頭容積の縮小と咽頭内圧の関係性を明らかにし,嚥下手技の訓練効果の検証を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
嚥下手技(Mendelsohn maneuver, effortfull swallow, supraglottic swallow)を実施した時の320-ADCTの画像解析を実施し,通常嚥下と比較して嚥下手技の特徴を画像上でもとらえられることを確認した. 被験者の確保が遅れており,嚥下手技獲得のためのフィードバック訓練が実施できていないが,本年度早期に実施できる見込みとなっている.
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今後の研究の推進方策 |
被験者5例の協力を得て嚥下手技獲得のためのフィードバック訓練を実施する. 嚥下手技が獲得できた段階で,マノメトリー挿入下で通常嚥下と嚥下手技を加えた嚥下を実施し,咽頭内圧の変化を記録する.その後,マノメトリー挿入下および非挿入下で320-ADCTを撮影する.CT画像所見から嚥下手技が正確性を判断し,咽頭腔容積を計測する.マノメトリーから得られる圧データと合わせて,嚥下手技実施時の嚥下動態変化と訓練効果について考察する.
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次年度の研究費の使用計画 |
被験者への謝金および学会発表の際の旅費として使用する.
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