研究課題/領域番号 |
24500633
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研究機関 | 九州保健福祉大学 |
研究代表者 |
小浦 誠吾 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (90310044)
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研究分担者 |
小川 敬之 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (50331153)
押川 武志 九州保健福祉大学, 保健科学部, 助教 (50435195)
右田 平八 九州保健福祉大学, 保健科学部, 講師 (00582462)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 認知症 / 認知障害 / 認知症予防 / 園芸療法 / 作業療法 / マッピング |
研究実績の概要 |
平成27年1月には「新オレンジプラン」がスタートし,認知症予防を中心とした地域包括ケアシステム作りが本格化している.しかし,兆候発見から受診までの期間が平均約9ヶ月半かかるとの報告もあり,早期発見のためのシステムの確立には至っていない.一方,人間と植物または自然の関係性を重視した認知症の人のための園芸療法は,おだやかな生命である植物を使い自然な五感からの知覚刺激もその特徴である.つまり,長期化によるリスクも懸念される地域における認知症ケアにおいて,施される側の患者だけでなく,施す側や専門職員などの全ての関係者にも心理的な好影響を与えることも可能である. 実用性の高い認知症介護技術としての介護園芸療法のマッピングと視点 ①介護園芸療法の技法の豊かさを生かす:園芸を植物全体や視覚,嗅覚,触覚などで自然と親しむなどの行為や作業と捉えると,技法の種類は無限に広がり,多様な認知症の症状や対象者個々のナラティブの特徴にも対応できる技法を選択することが容易となる.ベッドや車いすからの移動が困難な対象者には,植物の抽出液であるアロマオイルを活用したアロマトリートメントはベッドサイドなどでの施術・活動が可能である. ②農耕作業や農作物の特徴と育てる行為の価値と魅力を,1)今の情動の安定,2)未来予想図の安全な材料,3)安全性の高い回想法の材料とする:他のアプローチや療法と同様に,対象者自身および所属する施設,病院などとの契約や申し合わせと,事前の綿密なカルテ,ケアプラン,面談などによるナラティブの把握などが必要である.その上で,介護園芸療法で実践する未来予想や過去への回想は安全性が高く意識して活用する方法がマッピングされたことから,認知症者本人もかかわる介護者としての家族も行政も施設運営者にもメリットが大きい技術が確立したことになる。
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