研究課題/領域番号 |
24500636
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構徳島病院(臨床研究部) |
研究代表者 |
川村 和之 独立行政法人国立病院機構徳島病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (10450959)
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研究分担者 |
乾 俊夫 独立行政法人国立病院機構徳島病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (40167268)
三ツ井 貴夫 独立行政法人国立病院機構徳島病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (80294726)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / リハビリテーション / プラセボ効果 |
研究実績の概要 |
パーキンソン病患者では著明なプラセボ効果があり、近年、その効果発現に線条体のおける内因性ドーパミンの分泌亢進を伴っていることが明らかにされた。しかしながらリハビリテーションにおけるプラセボ効果はほとんど研究されていない。本研究ではプラセボ効果を活用する新しいパーキンソン病リハビリテーションプログラムを構築することを第一の目的とした。あわせて、研究に参加した患者に家族性パーキンソン病が疑われた場合にはパーキンソン病原因遺伝子(PARK2、Klokin1)の遺伝子検査をおこなった。 平成24年4月から平成27年3月の間に徳島病院で5週間の入院リハビリテーションを受けた113名の患者(男性52名、女性61名、平均年齢69±8.4歳、平均罹病期間 7.3±5.6年、Yahr重症度 3.2±0.43)を対象とした。このなかにはリハビリテーションを複数回(2~4回)受けた患者が43名含まれた。42名の患者で家族性パーキンソン病が疑われた。遺伝子検査の結果、1症例でPARK2遺伝子のエクソン3欠損、2症例でKlokin1遺伝子の新規点変異を認めた。 リハビリテーションで、UPDRSパートⅡ(ADLスコア)とパートⅢ(運動スコア)がいずれも有意に改善した:パートⅡ 23±6.0→16±6.4(P<0.05)、パートⅢ 47±10 → 35±10(P<0.05)。2回目以降のリハビリテーションにおいてもUPDRS改善度は同等であった。患者の全般的認知機能(MMSE)、前頭葉機能(FAB)、うつ状態(SDS)はUPDRS改善度に影響しなかった。 本研究に参加した患者のリハビリテーションに対する期待度は高く、パーキンソン病リハビリテーションにおいてもプラセボ効果が作用する可能性が示唆された。
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