研究課題/領域番号 |
24500638
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
三浦 美佐 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (30612014)
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研究分担者 |
伊藤 修 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00361072)
上月 正博 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70234698)
長坂 誠 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床准教授 (70375062)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 腎臓リハビリテーション / 血液透析 / 透析中の運動 / 透析中の微弱電気刺激 / 筋力改善 / 透析効率改善 / 糖尿病性腎症 / 慢性糸球体腎炎 |
研究実績の概要 |
腎臓リハビリテーション(以下腎リハ)に関する基礎研究や運動療法の効果の解析やメカニズム解明の研究を行 ってきたこれまでの基礎研究の結果を踏まえ、腎機能障害者の代表格である慢性糸球体腎炎(以下IgA腎症)透析患者と糖尿病性腎症(以下DM)透析患者で、26名のCKD stage5の血液透析患者を3群に分け、1. 運動療法群、2. 微弱電気刺激群、 3. 対象群(非運動・非電気刺激群)とした。運動療法や電気刺激条件は軽度~中等度で実施 した。具体的には、運動療法は自転車エルゴメータを用いた下肢運動や透析中でも可能なゴムバンドを用いたレ ジスタンス運動を行った。運動療法で各人の体力に応じて1回60分間以内、週2回、12週間施行し、骨格筋微弱電気刺激は、両側の下肢筋( 大腿と下腿)に最大径20cm楕円形のパットを2枚張り付け、1秒間に約10回の刺激を行い、20秒ごとに休止する条件下で行った。刺激の強さは不快や痛みを感じない微弱な範囲に調節し、微弱電気刺激は、1回60分間、週5回、 12週間施行し、その有効性について比較検討した。具体的には、運動耐容能、上下肢筋力、QOL、腎機能、透析効率、安全性で運動群、電気刺激群、対照群で各群の比較検討を行った。その結果、介入全期間で安全に実施できることが確認され、対照群では介入前後の差は認められなかったが、運動群では運動耐容能、上下肢筋力、透析効率、血清脂質で有意に改善が認められ、電気刺激群では下肢筋力と透析効率に改善が認められ、その他のパラメータに変化は認められなかった。疾患別では、IgA群はDM群よりも有意に運動耐容能や上下肢筋力、血清脂質が有意に増加したが、血清脂質の変化はDM群でより改善がみとめられた。したがって、IgAもDMも腎リハは有効であるが、それぞれ異なる作用機序があることが示唆された。
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