視覚障害者に対するヒアリング調査より、点字ブロックの設置が不適切であったために、けがや事故に遭った者がいた。また、点字ブロックを頼って歩いていて、ひやりとした経験をもっていた者がほとんどであった。特に問題となる箇所は、横断歩道前、階段前、スロープ上のブロックの設置であった。また、ブロックの設置方法が地域によって不統一であるために、混乱するという意見も多くの者から挙げられた。 また、海外にも点字ブロックが普及し始めたが、それぞれのブロックがどのように設置されているのか、どのような問題があるのかを明らかにした。その結果、日本と同様の設置上の誤りがあるケース、独自のルールで設置しているケースなどが多数存在することがわかった。 日本において、車いす使用者、高齢者、ベビーカー使用者、幼児を持つ保護者に対する調査より、点字ブロックがこれらの人たちの移動のバリアになっていることが明らかになった。視覚障害者と移動の導線を変えてほしいという意見が多く見られた。 これらの結果から、横断歩道前、階段前、エレベータ前、スロープなどの場面において、いくつかの具体的なモデルを示し、視覚障害者にはどの設置方法がわかりやすいかを模型を用いながら明らかにした。また、車いす使用者等にも、設置方法を示し、最も移動にバリアを感じないものはどれかを明らかにした。
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