研究課題/領域番号 |
24500640
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
田村 直良 横浜国立大学, 環境情報研究科(研究院), 教授 (20179906)
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研究分担者 |
後藤 敏行 横浜国立大学, 環境情報研究科(研究院), 教授 (30234991)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 福祉情報処理 / ラジオドラマ自動生成 / 自動朗読 / 自然言語処理 / 音声合成 / 視覚障がい |
研究実績の概要 |
最終年度の「物語テキストにおける登場人物の同一指示解析」(言語処理学会第22回年次大会、2016年)は、ラジオドラマの自動生成において物語中の発話文の発話者同定の精度向上を目的としている。この技術は、発話者ごとに個性を持たせ、同一の音響的パラメータを用いて同一の声色の登場人物として音声合成するために必須であり、自動生成するラジオドラマを表現力豊かなものにすることが出来る。 期間全体として、「視覚障がい者のための物語テキストの自動朗読システム」(第11回情報科学技術フォーラム、2012年)で入力テキストの入力支援システムが有効であろうとのコメントを受け、同支援システムを構築し、有効性を確認した(「ラジオドラマ生成システムと読み上げデータの作成支援」(自然言語処理学会第19回年次大会、2013年))。システムでは、背景音楽用や効果音用の音声素材を視聴しながら効率的に選択でき、GUIをベースとした編集機能が実現されている。 「視覚障がい者の娯楽使用を想定した物語朗読システムの開発」(電子情報通信学会、福祉情報工学研究会、2013年)では、物語朗読システムについて説明し、合成音声による文の読み上げに加え、会話文の話し手によって声を変えたり、物語世界内で起きた物音を効果音で表現したりすることによって、バラエティに富んだ朗読音声を生成できることを述べている。また、発話者ごとに音響的なパラメータを設定し、異なる人物として発話させるために、会話文の話し手の推定機能を実現している。話者推定は精度70%で、精度をあげるために、照応解析、省略解析を取り入れる必要があり、最終年度でその解決を目指した。 当課題では、出来るだけ高品質なラジオドラマを自動的に生成すること、人間によるコンテンツ作成支援を前提とした利用モデルを構築することを目指したが、実際のシステムの公開、利用促進については今後の課題となった。
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