研究課題/領域番号 |
24500644
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研究機関 | 兵庫県立福祉のまちづくり研究所 |
研究代表者 |
中園 薫 兵庫県立福祉のまちづくり研究所, その他部局等, 研究員 (60531267)
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研究分担者 |
長嶋 祐二 工学院大学, 情報工学部, 教授 (50138137)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ヒューマンコンピュータインタラクション / ヒューマンコミュニケーション / ビジュアルコミュニケーション / 福祉情報工学 / 手話 |
研究実績の概要 |
前年に行った評価実験で得られた知見に基づき,動画ピクトグラムを構成するデータのうち一部のTVMLのキャラクタや小道具および大道具等のパーツ画像の修正,ならびにパラメータとプログラムの改良を行った.具体的な主要な改良点は以下のとおり.「ナレーション」を利用したピクトグラムでは,キャラクターや背景を捉える際に画角を広くとって場面状況の把握をしやすくするカットと,逆にクローズアップしてキャラクターの動作に焦点をあてるカットのめりはりをつけて,より物語性を表現できるように工夫した.「ロールチェンジ」では,カメラのパニングなどによる視点の連続的転換を特徴的に多様しているが,この際に変化が激しすぎて疲労感を感じるという指摘に対処し,転換速度や画角などを調整した. つづいて,修正を行ったデータを使用して,被験者4名による簡易評価を実施した.その結果,修正によって了解度の改善が認められた.しかし,すべてのデータに対してこのような詳細な修正を行うことは,大変な労力または(外部発注した場合は)費用を要する者で,本来の研究の範囲から逸脱するのではないかと考えた.また予定していた大規模な評価実験を実施しても新たに得られる知見は限られていると考え,ピクトグラム関連のデータおよびプログラムの修正は内製で対処し,大規模評価実験は見送った.その代わり全体の枠組みの確立に重点をおき研究をすすめた. 階層的記述方法に関しては,XML言語を大枠として,プロトタイプ版として記述を試みた. これまでの研究で得られた成果を取り入れたシステムに関する論文「動画ピクトグラムを利用した駅でのコミュニケーション支援システム」を観光情報学会に投稿し,採録された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画していたピクトグラムの修正に関してはは規模を縮小して内製で行い,また大規模評価実験の実施は回避した.動画ピクトグラムの記述法の検討は計画通り実施し,XMLに準拠した記述法によりプロトタイピングを行った.総合するとやや遅れていると判断する.本年度を,3年間の研究機関の最終年度と計画していたが1年延長して,来年度に研究の終結をめざす.
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今後の研究の推進方策 |
当初,今年度で研究を終了する予定であったが,次年度まで延長することとした.実世界写像モデルにもとづく視覚表現の記述法の検討に重点をおき,記述法の確立をめざし研究をすすめ,同時にこれまでの研究成果とりまとめを行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初,本研究の一環として作成した動画データの理解度を評価する実験を,多数の被験者により行う計画であったが,予備実験で得られた知見などから,大規模な実験を実施しなくとも理解度の向上は検証可能という見通しが得られた.このため,実施を見合わせた.また,動画データの作成に予算を計上していたが,細かい修正作業などは内製で対応することにした.以上から研究費未使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度において課題を残している研究項目である画像情報の階層的記法の検討作業およびこれまでの研究のまとめに必要なパソコンなど情報機器,その他機材及び印刷費,情報収集などのための旅費・学会参加費などに使用する予定である.
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