研究課題/領域番号 |
24500646
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
藤澤 正一郎 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (50321500)
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研究分担者 |
佐藤 克也 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (10403651)
伊藤 伸一 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (90547655)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 視覚障害者誘導用ブロック / 音響信号機 / 視覚障害者 / 偏軌 / 移動支援機器 / 連続性 |
研究実績の概要 |
代表者らは交差点を横断する場合の点字ブロックと音響信号機の連続性に関する研究を行ってきた。歩行者は音響信号機の音を頼りにして横断歩道の対岸まで歩行する。音響信号機の設置位置の違いは、歩行者の誘導に影響を与えることは明白である。昨年度、交差点で道路騒音がある場合の音響信号機の設置位置の違いによる横断実験を実施した。ところで、自動車の道路騒音も、歩行者には歩行に影響を与えることが想像できる。しかし、音響信号機の設置位置の違いと道路騒音の影響については、明確に分離することができなかった。そこで、最終年度では、交差点の道路騒音がない場合の音響信号機の設置位置の違いによる横断実験を実施した。 音響信号機の設置位置の組み合わせの違いによる偏軌距離の結果は、交通騒音なしと交通騒音ありの結果では、交通騒音の影響による偏軌を抽出することができた。しかし、交通騒音がなく音響信号機が中央と中央の場合にあっても、被験者は右に偏軌していることが分かった。人の偏軌傾向は、健常側と麻痺側に起因することは自明のことである。音響信号機が中央と中央のときが、一般的な人の偏軌傾向に相当すると考えられる。交通騒音に対して、それを避ける方向に偏軌することが分かった。交通騒音の影響が最大20cm程右に偏軌していることが分かる。交通騒音の影響による偏軌距離を推定することができた。 昨年度と最終年度の実験結果から、交通騒音が横断に与える影響を定量的に明らかにした。また、人の偏軌傾向も定量的に明らかにした。本研究では、危険を伴う交差点の横断歩道の視覚障害者の歩行特性を明らかにすることができた。今後、音響信号機の設置に関するガイドラインの策定に当たっては、今回の研究から得られた知見を元に策定されることが期待される。
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