現在、スマートフォンやタブレット端末等の一般家庭への普及に伴い、タッチパネルをOSレベルでサポートしたICT機器の普及が進んでいる。しかし、何らかの原因でタッチパネルの操作が困難な人もおり、これが情報格差を生み出す原因にもなっている。もし、障がいをもった方に、これらICT機器に対して操作ニーズに応じた入力インタフェースを提供できれば、家電等の利用に応用でき、日常生活を支援する機器の制御が可能になる。その結果、スマートフォンだけ(これがワンデバイスとして)で障がいをもった方の余暇や生活の質的向上が期待できる。 本研究ではタッチパネルに加えて、幾つかの新しい入力インタフェースを以下に提案する。1)WEBカメラを用いて撮影されたビデオ画像からユーザの動きをトリガーとし、コンピュータ等を操作するユーザインタフェース・デバイスの試作を行った。このデバイスの特徴は、カメラで撮影する領域を調整する事で、ユーザの指の微小な動作から腕全体が動くような大きな動作まで、幅広い動作に対応したインタフェースの提供が可能な事である。2)音声入力や外部スイッチ・インタフェースで赤外線リモコンを用いて家電製品の制御等を行わせるシステムを試作した。これにより、スマートフォンの傾きや各種センサーの入力をユーザインタフェースの入力として利用する事で、家電製品の制御が自分だけで可能になる。その結果、障がいを持った方だけでなく、それをサポートする周囲の人までを含めた日常生活の質的向上が可能になる。
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