研究課題/領域番号 |
24500649
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
李 旻哲 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (60363397)
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キーワード | 健康・福祉工学 / 生体情報計測 / 生体情報システム / 生体工学 |
研究概要 |
本研究では、高齢者の運動効果判定及び下肢血行不良・褥瘡等の予防をするためにレーザースペックル血流画像化法(Laser Speckle FlowGraphy)を用いて、高齢者の運動前後の血流変化を測定し、その血流変化を数値的に観察できる小型プローブと高速演算・表示機構を一体化したハンドヘルド型の皮膚表層血行測定・表示システムを開発する。この運動の結果を数値的に表すことで、運動効果の把握や運動意欲の向上につながる。そこで運動での筋肉への刺激、血中酸素の消費、体温の上昇などによって起こる血流量の増加を観察することが、適切な運動効果を示す指標になると考えられる。 この年度は、皮膚血流測定システムの測定プローブの改良、性能評価実験、測定実験が中心となる。血流測定システムの制御と血流変化を有機ELディスプレイに表示できるソフトウェアを改良し、評価実験を行う。詳しい開発項目および研究計画は以下のようになる。 1)データ処理にシングルボードマイコンを使い、そこで統計処理を行い、測定したデータを有機ELディスプレイで血流変化を観測できるようにし、散乱板を回転させながら、その速度変化に対する血流マップの変化を調べ、対速度特性を詳細に調べる。 2)測定時間の短縮化と、装置のコンパクト化を目指した改良を行う。大量のデータを取り扱うことになる場合は測定プローブ内にSDカードでデータを保管できるようにソフトウェアを開発して、データベース化を推進する。今回新たに開発したシステムを用いて測定実験を行う。被験者が様々な運動を行い、その運動前後の血流値の比較を行う。測定時には被験者は椅子に座り、被験者自身が測定プローブを測定部位に当て、測定者が測定操作する。測定部位は手首中央部分とする。手首は他の箇所より比較的皮膚が薄いため血流の変動が分かりやすく、また被験者自身が測定しやすいため測定部位として採用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究については順調に進んでいる。 測定時間の短縮化と、装置のコンパクト化を目指した改良を行った。大量のデータを取り扱うことになる場合は測定プローブ内にSDカードでデータを保管できるようにソフトウェアを開発して、データベース化ができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に得られた結果を基にして、皮膚血流測定システムの性能評価、実際の高齢者の測定実験を行う。血流測定システムの制御と血流変化を有機ELディスプレイに表示できるソフトウェアを改良し、測定器を種々の条件下で利用できるよう、付属機構を整備する。試作した装置を使って、臨床実験及び高齢者の運動前後の血流変化を持続的に観察することで高齢者自身の運動能力の向上と血流値の変動を照らし合わせて、その有効性を確認する。 運動は高齢者の運動不足解消に効果があるとされているパワーリハビリテーションを行う。血流測定は運動前と、パワーリハビリテーション用の器具を用いた運動後にそれぞれ行う。運動前後の手首の血流値を数秒間測定し、それぞれの血流値を比較する。運動は下半身の全体に負荷をかける器具を用いて、1分間に10回程度の反復運動を3回行う。運動強度は被験者の申告により過度の負担にならない程度とする。また被験者の普段の運動量や、リハビリ運動の種類・負荷の大きさが異なる場合での血流変化についても検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
実際の実験を今年度ではなく来年度に行うため、人件費と謝金の部分を少しだけ使った。 実験に関する人件費と謝金の部分を今年度に使う予定である。
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