研究実績の概要 |
この年度は、平成25年度に得られた結果を基にして、皮膚血流測定システムの性能評価、実際の高齢者の測定実験を行う。血流測定システムの制御と血流変化を有機ELディスプレイに表示できるソフトウェアを改良し、測定器を種々の条件下で利用できるよう、付属機構を整備する。試作した装置を使って、臨床実験及び高齢者の運動前後の血流変化を持続的に観察することで高齢者自身の運動能力の向上と血流値の変動を照らし合わせて、その有効性を確認する。 運動は高齢者の運動不足解消に効果があるとされているパワーリハビリテーションを行う。血流測定は運動前と、パワーリハビリテーション用の器具を用いた運動後にそれぞれ行う。運動前後の手首の血流値を数秒間測定し、それぞれの血流値を比較する。運動は下半身の全体に負荷をかける器具を用いて、1分間に10回程度の反復運動を3回行う。運動強度は被験者の申告により過度の負担にならない程度とする。また被験者の普段の運動量や、リハビリ運動の種類・負荷の大きさが異なる場合での血流変化についても検証を行う。実験のデータを基に臨床医の助言にしたがって測定システムに改良を加え,福祉施設で臨床実験及び高齢者の運動前後の血流変化を持続的に観察し、医学的有用性を実証する。 得られた結果を取りまとめ、国内外の学会などに報告するとともに、国際専門ジャーナルに論文発表する。
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