研究課題/領域番号 |
24500651
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
池内 秀隆 大分大学, 工学部, 准教授 (50264130)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 床反力 / 立ち座り補助 / 福祉機器 |
研究概要 |
レバーやスイッチ等の操作の必要のない,立ち座り支援装置を開発するために,本研究着手前に作成した試作機による成果と問題点を整理し,改良試作機を作成,検討するための実験装置を製作した。 開発する立ち座り支援装置は,立ち座り中の床から足底に加わる反力を計測し,その変化に応じた支援力を発生する仕組みである。先行研究で試作した装置では,身体の保持に使用者自身によってバーを保持する方式を用いたため,適切に支援力を身体に伝えることができない恐れがあった。それゆえ,腰部を通じて支援力を身体に伝える方式に変更し,本支援装置の仕組みに最適な支持点の軌道を検討するため,本年度は検討用実験装置の政策を行った。 本年度は,検討用実験装置の設計・製作を行い,装置本体を完成させた。 6月までに装置の具体的設計は完了し,部品の選定,購入手続きを開始したが,設計を具体化するための部品の選定や基本的機能のテストなどに手間取り,制御プログラムの検討が十分に行えなかった。最終的に部品がそろったのが1月になったので,三月末にハードウェアが完成した。 作成した実験装置の基本構造は,経費の削減のため,研究代表者所有の昇降椅子を改良する方法とした。検討の結果,装置付属の上昇モータでは不十分のため,モータを交換し,前後移動の機構およびモータを追加した。モータの制御用にドライバおよびコンピュータとの接続機器を購入し,検討用実験システムを組み立てた。また,実験装置完成後の検討をスムーズに行うため,立ち上がりシミュレーション用のモデルの作成を検討し,基本となるモデルを提案した。このモデルの検討を行い,妥当性を検討中である。 今後,製作した実験装置を用いて,被験者実験へ移行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画した最低限の実験装置完成まではこぎ着けたが,被験者実験によるデータ収集ができなかった。適切なモータやインターフェースの選定に手間取り,組立が遅れたため,被験者実験の手配や実施を行う時間的余裕がなくなってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,当初の研究計画に沿って,被験者実験→データ収集→試作機の設計→試作機の製作→試作機の評価(被験者実験)の流れで行う予定である。本年度で一つ目の山場である検討用実験装置の製作は完了したので,今後の計画の遂行に関しては,比較的スムーズに行くものとみており,遅れも取り戻せると考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
被験者実験を行うため,実験装置の調整および被験者実験の準備を5月頃までに完了する。6月より被験者実験を行い,8月までにはデータの収集を完了する。9月~10月でデータの解析を行い,11月より最終試作機の設計にあたる。3月末までに必要な部品の選定,動作の検証などを行い,設計を完了する。 経費については,被験者謝金および実験装置の調整改良用経費,研究発表等旅費を計上している。 何らかの問題で,計画通りに進まない場合は設計を26年度に持ち越す。
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