研究課題/領域番号 |
24500651
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
池内 秀隆 大分大学, 工学部, 准教授 (50264130)
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キーワード | 床反力 / 立ち座り補助 / 福祉機器 |
研究概要 |
レバーやスイッチ操作の必要のない,立ち上がり支援装置の設計開発に必要なデータを収集する,実験装置を作成し,被験者実験を行った。 24年度に制作した実験装置の制御プログラムの開発を行い,動作の確認を行った。この過程で,前年度取り付けたモータが出力不足であることが判明し,モータの交換,動作確認を行った。立ち上がり装置の支持軌道の検討を行うために,健常者の立ち上がり実験から得られた腰位置軌道データをもとに,文献を参考にして,制御プログラムに入力する腰位置軌道を5種類作成した。被験者による評価実験方法を検討し,一対比較法による実験を行った。被験者は健常者3名で,通常状態と高齢者疑似装具を装着した状態の2種類の実験を行った。その結果,通常では,上に凸の円弧状軌道が評価が高かったが,高齢者疑似装具を装着した状態では各軌道の差異が小さくなり直線および下に凸の円弧軌道が同点で評価が高かった。また,被験者一名に対し,下肢筋力の筋電を計測し,装置を使用した場合としなかった場合では,装置を使用した場合に筋電の出力が小さくなり,立ち上がり支援の効果があることを確認した。 当初の予定に対して,モータの交換を行ったため,被験者実験の準備に移る時期が遅れ,さらに被験者実験中に装置に予想以上の負荷がかかってしまい,部品の交換,プログラムの再検討を行う必要が発生した。そのため,被験者実験が予定通りに行えず,データがそろうのに年度末ぎりぎりになってしまった。そのため被験者の募集の期間が十分取れず3人しか確保できなかったため,来年度も引き続き被験者実験を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
24年度の遅れに加えて,実験装置の動作検討中にモータの交換が必要になったこと,制御プログラムの作成が予想以上に時間を要したことに加え,被験者実験中の装置への過負荷が原因で,動作への支障がでたため,それらへの対応,部品の交換が生じ,25年中に本格的な被験者実験へ移行できなかった。これらの影響で被験者の募集期間が十分に取れず,3名の被験者でしか実験できなかった。最低限のデータは収集したが,25年度中に完了すべき被験者実験は行えず,最終目標の装置設計はできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
様々なトラブルは発生したが,限定的とはいえ25年度に被験者実験を行えたので,26年度は被験者の数を増やし,データの蓄積をはかる。できるだけ早い時期に,採用する腰軌道を決定し,最終目標の装置設計に移る。 当初の計画では,最終的な装置により,高齢者などの対象者を含めた被験者実験を行う予定であったが,最終的な装置設計・製作を最低限の目標とし,可能ならば最終的な装置で被験者実験を行う。
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