透析液(AD)に添加される酢酸は生体適合性に問題がある。ADに比し代替のクエン酸添加透析液(CD)は透析後の倦怠感抑制効果がある。ヒト肝細胞(HHpC)に対するCDのグリコーゲン(Gly)合成への影響を分子生物学的に検討した。EMEM培地にADとCDを混和した溶液でHHpCを培養しGly量と代謝関連酵素の発現量を比較した。HHpCのGly量はAD/EM5.1±0.9μg/gTPに比しCD/EM5.8±0.8で有意に高値、さらに、CD/EMによるGYS2の発現量はAD/EMに比し1.2倍高値であった。CD はADに比し肝細胞のGly合成能を促進させ、透析患者の持久力を向上させ可能性が示唆される。
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