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2014 年度 実績報告書

手に震えのある振戦患者のペン運びをアシストする装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24500672
研究機関熊本高等専門学校

研究代表者

柴里 弘毅  熊本高等専門学校, 制御情報システム工学科, 教授 (60259968)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード振戦 / アシスティブテクノロジー / 支援機器 / 福祉用具 / 人間工学
研究実績の概要

原因不明の理由により筋肉の収縮、弛緩が繰り返される振戦と呼ばれる症状がある。症状が重くなると字が書きづらいなど、日常生活にも支障をきたすことが問題となっている。本研究の目的は、手に震えのある振戦患者が、自分の力だけで文字を書けるようにペン運びをアシストする装置を開発することにある。
平成26年度は、書字支援システム開発時の振戦患者の負担を軽減するため、患者に代わり疑似的な振戦振動を発生させる疑似振戦発生装置の開発を行った。疑似振戦発生装置を使用することで、常に安定した振戦を再現でき、評価基準を一定に保つことも可能になる。この装置を実現するために、健常者による疑似的に手を震わせながら書いた筆跡と、脊髄小脳変性症を発症した患者の筆跡を前年度に開発した装置により調査した。次に、計測データを周波数解析と筆跡速度のヒストグラムを用いて整理を行った。これより、疑似的な振戦では5-6[Hz]に振戦のピークが確認できるのに対し、筆跡速度ヒストグラムでは健常者と顕著な違いが現れないこと、一方、脊髄小脳変性症の筆跡は特徴的な周期性がない反面、筆跡速度が低速から高速まで満遍なく分布することが明らかとなった。そこで、疑似振戦発生装置の目標軌道を速度ベースではなく、周波数特性ベースでジェネレートするよう目標信号生成アルゴリズムを構築した。この目標軌道を実現するように最適サーボシステム設計により制御系設計を行い、シミュレーションにより目標とする特徴を有する振戦挙動の再現を確認した。
最終年度までにサンプリング速度を大幅に向上させたハプティックデバイスを用いた書字計測・アシストシステムの構築、描画した文字から不随意信号を抑制する描画アルゴリズム、不随意運動抑制力を発生するアルゴリズムを構築した。また、今後のシステムの改良を容易にし、評価再現性を高めるための疑似振戦発生アルゴリズムを提案した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ウェアラブル振戦発生装置の提案2015

    • 著者名/発表者名
      佐藤栄高, 楠田衛, 柴里弘毅, 大塚弘文
    • 学会等名
      平成26年度第5回電気学会九州支部高専研究講演会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      2015-03-07
  • [学会発表] Design of Pseudo Tremor Generator System2014

    • 著者名/発表者名
      Mamoru KUSUDA, Koki SHIBASATO
    • 学会等名
      4th International Symposium on Technology for Sustainability
    • 発表場所
      National Taipei University of Technology
    • 年月日
      2014-11-19 – 2014-11-21
  • [学会発表] 振戦挙動の再現を目的とした疑似振戦発生システムの設計2014

    • 著者名/発表者名
      楠田衛,柴里弘毅
    • 学会等名
      第13回電子情報系高専フォーラム
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      2014-11-08
  • [学会発表] 疑似振戦発生装置のモデル化とシステム設計2014

    • 著者名/発表者名
      楠田衛, 柴里 弘毅
    • 学会等名
      人間工学会,九州・沖縄支部大会
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      2014-10-19 – 2014-10-20
  • [備考] researchmap

    • URL

      http://researchmap.jp/read0182625/

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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