身体イメージを構成している筋感覚と視覚を操作し,それらの感覚が身体イメージに与える働きを検討した。1)手首と肘が逆方向に固定され,カフ圧を加えると筋感覚が消失し,手首と肘の知覚は別々に逆方向へ変化した。 2)足首と膝を伸展位または屈曲位に固定し,カフ圧を加えると,その関節が逆方向に動くように知覚されたが,脚を見ると,知覚された姿勢は元の位置に戻った。3)カフ圧により上肢の位置知覚が変化すると,手に持った物も共に知覚変化した。4)実際の腕の位置と異なる視覚情報を与えると,腕の位置は視覚に引きずられて知覚された。5)さらに,そのカフ圧を加えると,手首の位置はいっそう視覚に影響された。
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