研究課題/領域番号 |
24500682
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
山田 洋 東海大学, 体育学部, 准教授 (30372949)
|
研究分担者 |
小河原 慶太 東海大学, 体育学部, 准教授 (90407990)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | kinematics / 走・跳・投動作 / 角速度 / 二次元動作DLT法 / 合成重心 / 立ち幅跳び / 発育発達 / 膝関節 |
研究概要 |
本研究は、動きの「質」に焦点を絞り、バイオメカニクス的・生理学的な指標を用いて、幼児期から児 童期までの子どもにおける走・跳・投動作の「スキル」獲得過程に関して、同一の被験児に対して計9年間縦断的に検討すること、および平行して任意時点における同年代の子どもを対象に横断的に検討することを目的とした。 研究の主な内容は、1)映像解析による関節運動(屈曲・伸展)の順序性からみた走・跳・投動作の「スキル」の測定・解析、および、同一被験児について幼児期か ら小学校期の9年間にわたり追跡して検討する「スキル」獲得過程の縦断的検討、2)現時点における同年代(幼 稚園年少から小学校6年生まで)の子どもの「スキル」獲得過程の横断的検討であった。 1)「スキル」獲得過程の縦断的検討 「スキル」の評価対象としては、これまでと同様に跳躍動作を用いた。跳躍動作は、垂直跳びと立ち幅跳び の二種類を行わせた。立ち幅跳びに関しては記録も行い、全国平均値との比較検討も行った。二種類の跳躍動作を 対象に、二次元動作DLT法を用いて解析を行い、合成重心を算出し、跳躍のパフォーマンスを評価した。また、 下肢の各関節(股関節、膝関節、足関節)における角度・角速度・角加速度等のKinematicsデータを算出した。卒園児を対象に同様の測定を行った。得られた映像データに対し、上記の手法を用いて解析を行った。 2)「スキル」獲得過程の横断的検討 幼稚園児・小学校児童を対象に同様の測定を行い、横断的に検討した。被験児は、年少・年中・年長幼児、および小学校1~6年 生児童であった。測定は、応募者の所属機関と継続して研究を行っている長野県の幼稚 園・小学校で実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、映像解析による関節運動(屈曲・伸展)の順序性、および下 肢の筋電図放電パターンを走・跳・投動作の「スキル」の評価指標としている。子どもの筋電図測定は難しいため、動作への影響の少なさ、電極装着の簡便さを重視し、ワイヤレス電極式筋電図計測システムFree EMG-8 8ch(ベルテックジャパン社製)を購入したが、その納品が遅れたため筋電図計測の進捗状況がやや遅れている。 「スキル」獲得過程の縦断的検討に関して、現在、小学校2年生までのデータは揃っており、分析を進めている最中である。一方、その後の縦断的データの採取については、被験児の都合や幼稚園・小学校とのスケジュール調整がこれまでより困難となっており、被験児数の確保が難しくなってきている。 「スキル」獲得過程の横断的検討に関して、応募者の所属機関と継続して研究を行っている長野県の幼稚 園・小学校で体力測定を行い、50m走、立ち幅跳び、ソフトボール投げ時の映像撮影を行った。映像データは採取したものの、二次元動作DLT法による映像解析には莫大な時間と労力が必要となる。学生・大学院生を動員して分析を進めているものの、未だ十分な人員を確保できていない。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き、これまで介入して運動指導および測定を実施している幼稚園・小学校で引 き続き研究を行う。ワイヤレス電極式筋電図計測システムFree EMG-8 8chを用いて、筋電図計測を中心に研究を進める。 「スキル」獲得過程の縦断的検討に関して、被験児の都合や幼稚園・小学校とのスケジュール調整がこれまでより困難となっており、被験児数の確保が難しくなってきている。今後は、被験児やその家族、幼稚園との連絡・調整を密に行い、被験児数の確保に務めていく。 「スキル」獲得過程の横断的検討に関して、映像データは採取したものの、二次元動作DLT法による映像解析には莫大な時間と労力が必要となる。学生・大学院生を動員して分析を進めているものの、未だ十分な人員を確保できていない。今後は、人員の確保に務めていきたい。 これらの研究成果に関しては、国内 の学会で発表を行うとともに、原著論文として投稿する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
「スキル」獲得過程の縦断的および横断的検討の測定に関しては、次年度も、これまで介入して運動指導および測定を実施している幼稚園・小学校で引 き続き研究を行うため、調査・資料収集のための予算を計上する。 データ処理に関しては、映像データは採取したものの、二次元動作DLT法による映像解析には莫大な時間と労力が必要となるため、次年度は、データ処理・解析に用いるコンピュータの購入を予定している。また、資料整理・実験補助のための謝金を確保し、人員を確保したい。 同時に国内 の学会で発表、原著論文としての投稿等、研究成果の公表に努める。 なお、今回は当初予定していた人員を確保できなかったため、主として人件費に起因する次年度繰り越し金が発生した。これに関しては、次年度に「人件費」として計上して使用していく。次年度は、繰り越し金が発生しないように計画的に研究を遂行するよう努める。
|