本研究は、軽度発達障害の生徒を対象に自然体験療法(Outdoor Experiential Therapy)を試み、障害特性と心理的成長の関連について検討した。プログラムに参加した発達障害児の自己概念は、自尊感情の低さと、他者からの評価の意識が高いことが特徴であった。自我発達の質的側面の変化における検討では、プログラム前後の変化は、自閉症スペクトラム障害児で大きい変化を示す事例が認められた。自然体験療法プログラムは、自閉症スペクトラム障害児の内的世界形成にきわめて有効であることが事例から示された。
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