研究課題/領域番号 |
24500694
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
稲垣 良介 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (20583058)
|
キーワード | 水難事故防止 / 着衣泳 |
研究概要 |
本研究の目的は、学校体育下でのより効果的な水難防止学習プログラムを確立することである。本年度公表した研究成果は下記の通りであった。論文①教育現場と大学の共同による「地域河川を利用した水難防止学習」の授業計画作成過程、稲垣良介・岸俊行・野々垣邦彦、福井大学教育地域科学部附属総合実践センター紀要第38号、pp35-44、2014年2月掲載、論文②着衣泳における横泳ぎに関する検討-泳速度・ストローク頻度・ストローク長の泳法間比較から-、稲垣良介、北陸体育学会紀要第50号、pp1-6、2014年3月掲載、論文③着衣泳が小学生の水難事故に対するリスク認識と対策実行認識に及ぼす影響-救命胴衣を用いた授業を実践して-、稲垣良介・岸俊行、体育科教育学研究第30巻2号日本体育科、2014年7月発行予定(掲載決定)、論文④着衣泳授業に参加した中学生の地域河川に対する認識の変容、野外教育研究、2014年発行予定(掲載決定)、口頭発表①救命胴衣を用いた着衣泳が小学生の水難に対するリスク認識と対策実行認識に及ぼす影響、稲垣良介・岸俊行、日本体育学会第64回大会(立命館大学)、2013年9月、口頭発表(ポスター)②着衣泳に参加した中学生の地域河川に対する認識の変容、稲垣良介、日本野外教育学会第16回大会(京都教育大学)、2013年6月、口頭発表(ポスター)③水難防止に資する授業づくりの一過程‐地域河川を利用した場合‐、稲垣良介、福井大学教職大学院教師教育改革コラボレーション 日本の教師改革のための福井会議2013ZoneD、2013年6月。上記のうち論文③は、水難事故の防止に資する着衣泳学習における「原因療法的」な効果を「事前、事後、遅延」の3時間点における「リスク認識」と「対策実行認識」について分析した。その結果、着衣泳の有効性と課題が明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、水難事故を未然に防ぐ効果に着目し、学校体育下での「自然水における水辺活動」を取り入れたより効果的な学習プログラムを確立することが目的である。本年度は、原因療法的な視点から水難事故防止学習のあり方を検討し、論文にまとめることができた。また、地域河川を利用した着衣泳学習の具体的な授業展開を提案することができた。これらは概ね当初の計画通りであり、今後の研究に着実に寄与する。よって、現在までの達成度は、おおむね順調である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、以下の点がある。 ①着衣泳学習の効果的なあり方を検討するため、実習だけでなく、どのような事前・事後の学習を十すすればより高い学習効果が得られるのか検討すること。 ②河川を用いた着衣泳学習の指導展開案を学校現場と共に作成・実施し、その効果を検討すること。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究課題「学校体育における水難事故防止教育プログラム構築に関する研究」の進行状況は概ね順調である。しかし、本研究は、実際の学校現場の授業を対象としており、また、天候に左右されやすい地域の河川をフィールドとする着衣泳を扱っているため若干の計画のずれが生じる。(例えば、平成25年度は、地域河川での着衣泳実施予定日に河川が増水したため3度にわたって延期したのち実習自体を中止することとなった学校がある。)以上が主な理由である。 平成26年度は、前年度降雨による増水によって実施できなかった地域河川を利用した着衣泳学習を実施する予定である。そのための経費として使用する予定である。具体的には旅費や流速計などに使用する予定である。また、平成26年度は山村、沿岸部、都市の児童または生徒の水辺活動に関わる調査研究を計画しており、人件費が前年度よりも必要になる見込みである。
|