研究課題/領域番号 |
24500700
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
佐分利 育代 鳥取大学, 地域学部, 教授 (60093598)
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キーワード | インクルーシブ / ダンス指導 |
研究概要 |
インクルーシブな生涯教育のための「教えないダンスの指導」の検証のため、昨年度に引き続き、「教えないダンス指導」を、実践を通して探った。 ダンス指導の対象は、ベトナムホーチミン市の3養護学校の子どもたち、精神障害の成人、インクルーシブなダンスグループ、高齢者、重度の身体障害者である。 今年度ホーチミンでは、昨年度の結果から、セッションリーダーの方法を理解するため、各養護学校の先生を対象に、「渡す」から始める「教えないダンス指導」を実践した。そして、同じ手がかりを用いたダンス指導を各養護学校でも行った。また、通訳者を指導者のすぐ隣に置いて指導言語の中でも「認める言葉」がすぐに伝わるようにして行った指導と、通訳者が指導者を離れ内容のみ伝えた場合の、違いにも注目した。 何かを実際に「渡す」、動きの真似し合いという形の「渡す」などを手がかりに始める指導では、グループ員全体が「一人ひとりのメンバーを観る」ことがかならずおきる。このため、一人ひとりの違いを認め、その違いを渡し合うおもしろさが共有され、自己を発揮する表現としてのダンスの特性が短時間で体現されることが、どのグループでも確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
様々な対象への指導実践と、ビデオによる収録は行えているが、細部にわたる分析と考察が十分とは言えない。 ベトナムホーチミンでの指導は継続して行っているが、クラスのメンバーの変更その他の理由により、同一対象グループでのダンス指導とならないでいる。教員対象のワークショップは効果があったと判断しているが、詳細な考察が必要である。 インクルーシブグループ、精神障害の人、重度身体障害のある人、老人、幼児等の指導についても詳細な考察と比較がもう少し必要。 最終年の今年度には、分析考察の時間を確保したい。
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今後の研究の推進方策 |
ホーチミンでの指導実践と収録は7月に終了する。昨年度までの結果から、今年度新たに通訳を依頼し、通訳の位置、訳してもらう指導言語等を通して、最低限の指導言語、指導法を理解している補助者の位置を検証したい。このことが、当初目標にしていた指導の祭の最低限の条件の検討に繋がると思われる。 「渡す」から始める「教えないダンス指導」に限定して、様々な対象での指導に共通し、誰でもできる指導への手がかりとなるものを探りたい。 2学会での発表を考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
細かい端数が生じた。 不要なものに使用せず、最終年度の必要経費に充当する。
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