研究概要 |
平成24年度は、学習者のゲーム様相の発展過程に対応したゴール型ゲーム教材の開発および指導プログラムの作成と、その教材・指導プログラムについての予備調査を行った。 佐々木(1963)や橋本(1699)、吉井(1970)、江刺(1978)、瀧井(1988)といったゲーム様相の発達過程に関する論文を中心にゲーム様相の発達段階について検討し、筆者ら(2011)が行った先行実践研究を元に、学習者のゲーム様相に対応したゴール型ゲーム教材の開発を行った。 開発された教材の有効性および課題について明らかにするために、開発された教材を用いた附属中学校の体育授業実践を対象とした予備調査を行った。予備調査では、授業そのものの正否を確かめるために、体育授業の形成的授業評価票(高橋,1994)を適用し学習者が満足する授業であったかどうか検討した。また、開発された教材の有効性については、対象授業のゲームをVTRにて撮影し、ゲーム中に発揮された学習者のゲームパフォーマンスをGPAI(グリフィン,1999,pp.200-207)を用いて評価・分析を行った。くわえて、実施した授業者へのインタビュー調査を実施し、授業者の立場から認められた成果と課題について検討した。 以上の分析方法から得られたデータから開発された教材を用いた体育授業は学習者が満足する授業であったこと、学習者のゲームパフォーマンスを高めることができたことが明らかになった。授業者のインタビューからも、教材の価値、特に体育授業や運動を苦手とする学習者への効果が確認された。24年度の取り組みで明らかになったゴール型ゲーム教材の有効性及び課題をもとに改善・修正を加え、学習者のゲーム様相の発展過程に対応したゲーム教材の試案を完成させることができ、平成25年度に向けた各学年段階への適用実施準備が整った。
|