研究課題/領域番号 |
24500704
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
杉山 佳生 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (50284922)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 心理社会的スキル教育プログラム / 体育・スポーツ / 児童 / 噴火被災地 / 国際研究者交流 / インドネシア |
研究実績の概要 |
本研究全体の目的は,インドネシア・ジョグジャカルタのムラピ山近郊地域の児童を対象とした,心理社会的スキルの獲得等を目的とする体育・スポーツプログラムを開発・実践し,その効果を検証すること,および,自然災害の被災下にいる青少年の心理社会的側面の改善に資する体育・スポーツ活動のあり方についての提言を行うことである。この目的達成のために,平成27年度は,下記の調査研究活動を行った。 1.教育プログラムの実施および効果の検証,ならびに,改良プログラムの実施 前年度から行われていた,被災地在住児童の心理状態を改善し,心理社会的スキルを向上させることを目的とした,身体活動を通した教育プログラムを完結させた。事前,中間,事後に行われた心理調査で得られたデータの分析より,教育プログラム実施群において,抑うつ,不安,ストレスといったネガティブな心理状態の改善が認められ,また,コミュニケーションスキルや社会的気づきスキルが向上したことが確認された。プログラム終了後には,担当教師とグループ討議を行い,プログラム実施にかかる感想とともに,課題を挙げてもらった。これらの討議から,現代的な身体活動ゲームやスポーツは,用具や施設,担当者の技能等の制約のために,コストパフォーマンスは必ずしも高くないのではないかという課題が浮かび上がってきた。そこで,年度の後半には,伝統的な身体活動を加えた改良プログラムを試行し,そこでも,一定の心理状態の改善や心理社会的スキルの向上を確認した。 2.研究成果の公表 教育プログラムの効果にかかる研究成果については,その一部を,国際誌で原著論文として公表し,また,国際学会においても発表した。これらの成果発表において,当該プログラムの重要性および課題について論じるとともに,被災地における心理社会的支援にかかる提言も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画は,予定どおり,達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,研究の精緻化を目指して,収集データを詳細に分析し,それらをまとめて,国際学会や国際誌で公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費,調査費,英文校閲料・論文投稿料等の直接経費を節約的に使用したことで,未使用分が生じることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
詳細な分析に基づく研究成果を学会・学術誌等で公表するために使用する。
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