研究課題/領域番号 |
24500705
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
磯貝 浩久 九州工業大学, 情報工学研究院, 准教授 (70223055)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | スポーツ行動 / 社会系心理学 / 動機づけ / 他者との関係性 / モデルの構築 |
研究概要 |
本研究の目的は、「他者との関係性に関する動機」を明らかにして、それが「スポーツ行動への動機」と「スポーツ行動」に及ぼす影響を検討し、スポーツ動機づけモデルを構築することである。平成24年度の目的と計画は、1) 他者との関係性と動機づけに関する内外の文献調査を行い知見を整理すること、2) 他者との関係性を基にした動機づけの理論的枠組みを検討すること、3) 他者志向的動機や社会的目標に関する評価尺度を開発することであった。本年度の研究実績の概要は、以下のように示される。 1.文献調査:他者との関係性、他者志向的動機、社会的目標、達成目標理論、スポーツへの動機づけ、自己決定、自己効力感、内発的動機づけ、スポーツ行動、国際比較などをキーワードとして文献の検索を行なった。 2.理論的枠組みの検討:文献調査及び本研究の分析モデルに基づいて、他者との関係性を基軸としたスポーツ動機づけモデルの試案作成して、モデル構築の方法論を検討した。他者との関係性への動機に関しては、他者志向的動機やソーシャルサポートを、スポーツ行動への動機に関しては目標志向性や自己決定などを、スポーツ行動に関しては競技への取り組み、コミットメント、集団適応等を取り上げた。 3.評価尺度の開発及び関連要因の調査:他者との関係性への動機づけについて、他者志向的動機という観点から概念を定義して予備調査を行い尺度を選定した。その後、353名の大学生を対象に信頼性・妥当性を検証して、スポーツにおける他者志向的動機尺度を開発した。他者志向的動機と集団効力感など所属集団との関係及びスポーツにおける目標志向性など動機づけとの関係について調査を行い特徴を見いだした。また、他者との関係に関して、ソーシャルサポートという視点からも調査を行い、スポーツへのコミットメントなどに影響することを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査が概ね終わったこと、動機づけモデルの理論的枠組みの検討が進んだこと、さらにスポーツにおける他者志向的動機を評価する尺度が作成できたことなどから、おおむね順調に進展していると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、特に次年度の研究計画は、「他者との関係性への動機」「スポーツ行動への動機」「スポーツ行動」の関係について横断的調査を実施し、3者の関係性について共分散構造分析等により検討を行い、動機づけモデルの構築を試みる。また、縦断的調査を実施して、他者志向的動機及び社会的目標の変化と「スポーツ行動への動機づけ」と「スポーツ行動」の変化について検討する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
今年度の調査は予定通りできたが、対象予定としていた遠方の大学でなく、近郊の大学で調査できたため旅費等の経費を削減でき、未使用額が生じた。次年度は、横断的調査と縦断的調査を実施するための旅費及び謝金、調査データの入力・解析のための謝金及び物品・消耗品、研究成果を学会等で公表するための旅費などに使用する計画である。
|